MORI-C インタビュー | TO DI WORLD -世界で活躍する日本人-

”世界で活躍する日本人”にスポットライトを当てるプロジェクト《TO DI WORLD》。

第3回目となる今回は、現在ジャマイカに在住し、セレクターとして活躍しながら現地のレストランでも働く〈MORI-C〉にインタビュー。実際に生活しているからこそ話せる”ジャマイカのリアル“を聞かせてもらった。

 

BUZZLE MAGAZINE(以下BM):それじゃあまずは、経歴を簡単に教えてください。

MORI-C:2017年の4月に来たんですけど、ジャマイカに。来る1年前までは別のサウンドやってて、それを抜けて1年程は日本でセレクターだけで活動してて、そっからジャマイカに来て、今ジャマイカで活動してる感じですね。

BM:ジャマイカ以外の国では、どこか海外に行ったことのある国はありますか?

MORI-C:2010年の時にロサンゼルスとトロント半年住んでました。
仕事のアテもあったんで、日本食料理屋で働きながらちょっと学校も行ってみたいな感じで。アメリカはビザなかったんで(※ビザなしでの最長滞在期間は90日)そのままカナダに行って、カナダでもそうゆう感じで働きながらちょっと学校も行ってみたいな。

でもまあダンスホールとかレゲエずっと好きやったんで色々パーティーもチェックして、何回かアーリーとかもやって、そん時になんかちょっと、「(日本と)ちゃうなー!」みたいな。自分の中で。

やるなら今しかないやろ

BM:セレクター目線では、具体的にどうゆうところが日本と違ったんですか?

MORI-C:やっぱお客さん掴んで歌わした時の声の声量とか、ちょっとケタ違いやなって。全員本気やから凄いし、一人一人の持ってるパワーがちゃいすぎるみたいな。ボスった時に気持ちいい。それを自分で感じたりしてしまって、ハマってしまって。で、ずっと海外でやりたいと思ってたから、その衝撃が今に至る感じはありますね。

BM:色々な国に行って、長期で住もうと思った時になぜジャマイカを選んだんですか?

MORI-C:一番の理由は仕事なんですけど。ビザがやっぱアメリカも取りにくいし、でも海外に行きたいし。ってとこでジャマイカで仕事募集してるの見つけて。それで今の日本食レストランEAST JAPANESEで働きながら、まあどんだけ出来るか分からんけど、やりたいなと思ってたし、やるなら今しかないやろ。って。

ジャマイカ厳しいんで、一年ぐらいはかかったっすかね

BM:レストランで働きながら、セレクターとしてプレイもされてるんですよね?

MORI-C:すぐには出来なかったんですけど、場所も見つけなあかんし。仕事の兼ね合いもあったから色々様子見ながら、もぐりこめれるとこないかなみたいな。それで半年過ぎたぐらいに、やってるヤツがおったから声掛けて、そこでレギュラーで3、4ヶ月ぐらいやってて。それやってる時に「プレイいいやん。」みたいなんで他でもブッキング貰ったりとか、MCしか出来ひんヤツとかもジャマイカいてるんで、「今度俺のダンス回しに来い。」とか、そうゆうので色々リンク増えていって。最近はそうゆうのが週に一回か二回あって、多い時は先週4日連続とかもあったし。

BM:すごいですね。そうゆうところではギャラとかも貰えるんですか?

MORI-C:最初とかはとりあえず回したかったしそういう気持ちもなかったけど、やっぱ徐々に周りからも貰った方がいいっていうのもあったし、自分も貰わなちょっとアレやなって。まあ話ししたら全然、「これぐらい欲しいけどいける?」って言ったら「大丈夫やで。」って。でもダンス行って回してそうゆう話するんすけど、全然話聞かへんやんみたいなこともあるし。ジャマイカ人独特の、金のことになった時に出てくるウザさとかは体験したっすね(笑)

BM:やっぱり、出来れば払いたくないみたいなのがあるんですね(笑)

MORI-C:払いたくないっていうか、すんなり渡さへんみたいなところは(笑)
ゲットーでやることが多いんで、やっぱりそうゆうことはあるっすよね。ちょっとまけてくれとかもあるし、フラップしてたらまあ分かるけど。金貰うのは認められんとジャマイカ厳しいんで、一年ぐらいはかかったっすかね。

水出えへん時もあるっすよ

MORI-C: 山の方でイベントがあって、主催者のやつにバイクで迎えに来てもらったんすけど、めっちゃオフロードなところをガンガン行くんすよ。どこまで行くん!みたいな(笑)まあそこで、そいつのバースデーパーティーやったんすけど、3時ぐらいに終わって、「もう帰られへんけどどうする?」みたいになって。どうするゆうても…ってなって、その山のそいつの家泊まって。で、家入って奥行ったら一個のベッドにもう3人ぐらい並んで寝てるんすよ。

BM:(笑)

MORI-C:え、俺この列でいくん?みたいな(笑)でも流石にそれは無くて、「ここ使うから空けたって。」ゆうて寝させてくれたんですけど。
やっぱ山の上の水道もないようなトコですよね。そんなキングストンから離れてないんすけど、やっぱそういう生活してる人いっぱいおるっすよね。「顔洗いたいねんけど。」言うたら、コップみたいなんに水入れられて、「これで。」ゆうて。こんな感じか、ラガやなこいつら。って。

BM:(笑)MORI-Cさんの家は水出るんですよね?

MORI-C:うちはあります(笑)でも出悪い時とかは全然あるっすよ。出えへん時もあるっす。最近けっこう出るようになったんすけど、昼間マジ出えへんとか。
水不足もやっぱあるし、水出るとこでペットボトルに水入れて持って帰ってきて身体洗ったりとか。まあいけるんすけどね、意外に。

かわしながら5時間半やり続けるっていう

MORI-C:コンチ(田舎)でプレイすることもちょとずつ増えてきて、前もオールドハーバーっていうキングストン(首都)から西に一時間ぐらい行った街があるんですけど。行った時に、「もう一人セレクターおるけど、とりあえずアーリーやろか。」みたいになって、9時ぐらいから始まってそっから2時半まで一人でやり切って。

コンチはキングストンと違ってパーティーがそこまで頻繁にないから、行く時は全員バリキメてくるし、金も使うんですよね。だからそん時は1日でJA$10,600マニープロップあって。JA$100(約80円の紙幣)とかもあるからポケットの中はとりあえずもうめちゃくちゃパンパンになって。で、横でゲトーユーツ達が、あのCHIN(アジア人に対する差別的な呼び方)めっちゃポケットに金入ってるやんみたいになって、プレイしてんのにジュース奢れとか言ってきて。かわしながら5時間半やり続けるっていう。

BM:すごいなー(笑)じゃあその日はもう最後までやったんですか?

MORI-C:最後まで一人ですね。ポリスが止めに来るまで一人。
まあ最近ジャマイカ早いんすよ、終わるの。大体もう2時、3時くらいなんですよね。場所にもよると思うっすけど、5時とかまで出来るとこは減ってきてるっす。ゼロではないけど。

ポリスもなんかシフト制なんすけど、確か1時と3時ぐらいにあるんですよね、入れ替わりで。ちょっとチェックしにきて、「何やってんねん、金くれへんかったら終わらすぞ。」みたいな。で、プロモーターが分かったって言うて払って終わるんすけど、またシフト代わって3時のヤツが来るんすよ。

BM:(笑)

MORI-C:そこである程度人入ってたらプロモーターも頑張ったりするんすけど、もうええかなってぐらいやったら終わったり。

BM:やっぱそこもお金なんですか(笑)

MORI-C:基本、けっこうお金でいけちゃうっすよね(笑)

やっぱリアリティーがウケる

BM:日本じゃ考えられないような、お金で解決できたエピソードとかって他にもありますか?

MORI-C:EMPERORのTAKU(@emperor_taku)とLIFE STYLEのKOHEY君(@lifestylekohey)と俺で、TAKUがもう(日本に)帰るから送ってたんですけど、KOHEY君免許なかったけどそん時運転してて。空港の近くけっこうスピード出せる道があるんすけど、そこめちゃくちゃポリスいてるんですよ。すごいひらけた道やから、意識せんでもけっこうスピード出ちゃうみたいな。まんまとそこで俺らひっかかって。「はい、止まってくださーい。」みたいになって、KOHEY君免許なかったけどTAKUが持ってたから、TAKUのやつでとりあえず、「はい、これ免許。」みたいな。けっこうジャマイカはアジア人やったら気付かんヤツおるから。でも写真見た瞬間、「いや、横のヤツやん!」みたいな(笑)

BM:(笑)

MORI-C:「お前ではないやろ、お前の免許出せ。」って言われても無いし。「お前ら今からもう警察署行くぞ。」って言われて、「もう帰らなあかんねん、頼むわ。」「無理や、またチケット取り直せ。」みたいになって、えぐー!終わってるー…ってなって。
頼む!いくらやねん、こんだけ出せるから。」って言っても、「いや、無理無理。ついて来なさい。」ゆうて。
で、そっからパトカーの後ろついて行って、100mぐらい行った所でパトカーいきなり止まったんすよ。で、「運転手のヤツ出てこい。」ゆうて、「はい、金。」みたいな。
えー!ってなって渡したら、「今すぐ行け。」みたいな。

なんやねん!その前フリみたいなんいらんやろ!って。

BM:(爆笑)

MORI-C:で、TAKUはちゃんと帰れましたね(笑)そこは金に救われたっすね。

BM:やっぱ、日本人と警察のトラブルってけっこうあるんですね。

MORI-C:向こうも吹っかけてくるんすよ。ある程度(英語・パトワを)喋れるヤツと喋られへんヤツとかを判断して、”JAIL(刑務所)”とかいう言葉を使って様子を伺ってくるんすよ。そこで別に怯まずに対応していったらいけたりするんすけど、そこでテンパってもうたりしたら向こうも足元すくってくるっすよ。警察が何してんねんって話やけど、そういうこともあるっすね。ポリス全員がそうじゃないですけど、そうゆうヤツもいてるっす。
そこも分かりつつ生活せなあかんっていう。

BM:レゲエだけじゃなくってことですね(笑)

MORI-C:まあ、これもレゲエの勉強なんですけどね。そうゆうとこから色々リリックもきて面白いとこもあると思うっすね。オネーチャンのネタとか浮気のネタとか。

BM:なるほど。

MORI-C:やっぱリアリティーがウケるっすね。リリック(歌詞)がかなり重要やから、日本でボスらん曲があるのもしゃあないっすよね。ジャマイカだけで流行ってしまったりとか。でもまあ、そうゆうとこも分かっていって、オモロくなるっすよね、海外でやってると。俺も分からんし、全然それはもうジャマイカ人に聞きながらやけど。

Squash、Chronic Law 二人の勢いがヤバイ

BM:いまジャマイカで注目のアーティストは?

MORI-C:やっぱSquash、Chronic Law。Rygin Kingも去年の真ん中ぐらいまではヒットチューン出してるっすけど、6ixって言われるギャングのアーティストのその二人の勢いがヤバイっすね。そこがメインタイムで一番くる。

BM:Koffeeとかはどうですか?

MORI-C:KoffeeもToastはめちゃくちゃボスってます。ジャマイカ人みんな好きですね。あれ聞いたらとりあえず踊りたくなるっすね(笑)
あとDing Dongとかもすごいっす。もうアイドルみたいな感じっすね。ジャニーズぐらいの感じっすよ。

考え方はちょっとづつ変わってる

MORI-C:今2年目で、3月に一回(日本に)帰るんですけど、3週間ぐらい。で、(ジャマイカに)帰ってきたら3年目スタートですね。

BM:まだしばらくはジャマイカでの生活を続ける予定なんですか?

MORI-C:どこまでおれるか分からんすけど、まあ、長くおろうと思ってます。

BM:2年経って、日本に住んでた時と比べて考え方とか変わりましたか?

MORI-C:海外でプレイすることしか今は考えてないから、やっぱり日本でやるのと思考も違うし。そういう面では考え方はちょっとづつ変わってるっていうか、こっちに合わしてると思うっすね。

いいプレイしたら認めてくれる

BM:ジャマイカのいいところは?

MORI-C:音楽が良ければ、いいプレイしたら認めてくれるっす。そこで認められるし、でもあかんかったらあんし、そこはいいなと思います。俺とかもまだ全然喋れないですけど、音楽出来たらそれなりにバカにされにくくなる。そうゆうとこは認めてくれるっす。

BM:今後の、近い将来の目標って何かありますか?

MORI-C:ジャマイカってイベントのでっかい看板がそこら中にあって。ポスターじゃなくて看板で。例えば『PAN DI PLAZA Chromatic』みたいなのがバーンて張られてるんすよ。そうゆうのに出たいっす。そこには行ってみたいですね。すぐには無理かもしらんけど、でもそこ目指してやるしかないっすよね。やったらみんなも、もう文句言われへんやろって。やっぱ結果出しとかんとね、そりゃ言われるっすよね。自分でも思うし。まあ近い目標は、遠いけどそこですかね。あとは一個一個現場ちゃんとこなすことですね。それが多分そこに繋がるし。

その一言に俺勝たれへんわっていう… (ビッグニュース!!!)

BM:最後に、BUZZLE MAGAZINEを読んでくれてる皆さんに一言いただけますか?

MORI-C:一言考えてたんですけど、ちょっとその一言に俺勝たれへんわっていう一言持ってきた人がいてるんですよ。

HEMP ZIONから一言あります。(BOB (HEMP ZION) 登場)

BOB (HEMP ZION):とりあえず…JAPAN RUMBLEで優勝して、WORLD CLASH行こかな。

BM:は、はい。ありがとうございます!

一同:(笑)

MORI-C:最後それで(記事を)上げてください。それだけのために今日来てもらったんで(笑)

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