マンネリを嘲笑うハイブリットなニューカマー | RAFUU インタビュー

唯一無二の歌声で魅了するレゲエシンガー LEF-T(レフティー)、北のビッグサウンド REALIZE INTERNATIONAL(リアライズ・インターナショナル)のフロントマン兼プロデューサー TEK(テック)。今までの日本のダンスホールシーンにはなかった先進的なサウンドアプローチでダンスホールの向こう側へと突き進む2人によるハイブリッドな超新星ユニット RAFUU(ラフ)。今回は RAFUU の結成秘話や楽曲制作についてはもちろんのこと、2013年に突如活動を休止した LEF-T の気になる空白期間や、国内外の様々なステージで活躍する TEK から見た現在のダンスホールシーンについての考えなど、クールに振る舞い我が道を進む2人の核心に迫らせてもらった。

ただ自分の好きな”音楽”を作ってる

– BUZZLE MAGAZINE(以下BM):「マンネリを嘲笑うハイブリッドなニューカマー」の異名通り、今までのレゲエシーンの色とは違ったスタイルやサウンドを感じられるのですが、RAFUUの結成理由とそのこだわりを教えて下さい。

TEK結成理由はね、GACHA が言ったんだ。「LEF-T をソロで復活させるんじゃなくて TEK と “ワン DJ、ワンシンガー” で組んだほうが面白いんじゃない?」って。

LEF-T元々アーティストとしての復帰の企画を REALIZE INTERNATIONALの ORNIS MUSIC WORKS からやるつもりだったんだけど、GACHA が日本帰ってきた時に相談したら、ユニットにしたほうが良いっていうアイデアをもらって。

TEKそれでせっかくだから新しいことしたくて。おれがマイアミにいるときに MAJOR LAZER に入る前の WALSHY FIRE と知り合ってて、その時の楽曲とか聞いててこういう事したいなーって思ってたんだ。だから LEF-T 個人じゃなく RAFUU として新しいことにチャレンジしていこうってことで話がまとまったね。

LEF-T自分としても今まで LEF-T としてやってきた制作方法や歌い方じゃなく、RAFUU では以前のスタイルと差別化することを少なからず意識してる。それが周りからは新鮮に見えているのかも。

BM:今までとは違う新しいことをされている分、レゲエに対して保守的な考え方の人たちから批判的な意見もあったりするかと思うのですがどうですか?

LEF-T自分に対して直接そう伝えてくる人はいないけど、”アイツらはレゲエじゃない”って思ってる人も中にはいるかもしれない。でもそれはそれで間違いではなくて、俺も自分が今作ってる音楽がすべてレゲエだなんて思ってないね。ジャンルどうこうじゃなく、ただ自分の好きな”音楽”を作ってるっていう意識かな。今の楽曲の制作法は1番、2番が同メロディーのポップスで聴くような作り方を意識しているから、もしそういう声があっても間違いじゃないと思う。てかそういう思想のヤツにはレゲエの定義ってもんをぜひ俺に事細かに教えていただきたいね(笑)

TEKレゲエ出身の人がやってる音楽って感じ。まあレゲエ好きだし今の若い子がこれを聞いてレゲエだと思うかもしれないし。そこは正直どっちでもいいかな。

シーンの現状に対してクールな目で見てたところが一緒

BM:お二人が音楽を始めたのはいつ頃ですか?

LEF-T本格的に作詞作曲を始めたのは小学6年生の時。中学に入って、ひとつ上の RAM HEAD とその更にひとつ上の BoBo-G がギター片手に路上ライブを始めたんだよね。2人とは昔から仲が良くて、尚且つヤンチャだったから音楽も悪さも2人に影響を受けた。だから当然俺も自作の曲や、ゆず、19の弾き語りをして地元小樽の飲み屋街で路上ライブを始めた。高校生になってからラムとボボジーがディージェイ(歌い手)をやり始めて、もちろん後に続くように俺も始めたね。それが LEF-T としてのキャリアのスタート。18歳の頃にその2人を含む6人の DEEJAY でイベントを主催する為に結成したのが、潮風CREW。JAIL にいる人もいるけど今でも皆仲良いし、音楽を抜きにしても信頼出来る最高の仲間だよ。

TEKおれは16のころにやり始めて、ライオンキングっていうサウンドなんだけど(笑)18から REALIZE に入って、その前はママごとサウンドみたいなことをしていたかな。でもその当時からダブとかは切ってたよ。

– BM:ライオンキングのダブはまだ持っているんですか?

TEKあるよ、たま〜にかけることもあるよ(笑)LEF-T とか JING TENG、RUDEBWOY FACE とか持ってたね。

– BMお二人は昔からお付き合いがあるんですよね?当時のお二人の忘れられない思い出とかはありますか?

LEF-T俺は、お互いにまだ全くの無名だった時に TEK が主催の「STREET GATE」っていうイベントがあって、それの初回に呼ばれた事かな(笑)

TEKあ、俺もそれかも。お互い海外経験もなくてさ、俺のワンサウンドと LEF-T のワンディージェイ。フライヤーも2人だけドンッみたいな感じで、10年以上前だよね。今は珍しくないけど当時はあんまりなくて、いきなり思い付いてノリでやったね。平日だけど100人くらい入ったよね。

– BM:初めての試みとなったそのイベントはどうでしたか?

TEK: LEF-T はライブしてもらってそれ以外は俺が回さなきゃいけないわけじゃん。ハタチの頃のおれにはキツかったね(笑)

LEF-T:リハの時間以外話してない(笑)

TEK:それが結構な思い出かなー。地元も全然違うけどその当時から LEF-T とは馬が合ってたな。

LEF-T:昔からシーンの現状に対してクールな目で見てた所が一緒で、それで仲良くなった気がする。良い意味で先輩に対して闘争心があったていうか。絶対に負けないし負けてないっていう気持ちがお互いあって、その時から悪ふざけで 「あんなん大したことないでしょ!」って2人で言ってたよね。10年以上の仲だけど、当時の関係性と今もあまり変わらないと思う。俺と TEK はお互いに無い部分を持ち合わせてるから上手くやれてると思うね。俺は RAFUU の楽曲に対しても TEK の意見を信用してるし尊重してる。だから意見が合わなくて喧嘩する事は一度もないなぁ。ユニットである以上、楽曲に対して俺の意見のみを貫いたら、ユニットの意味がないと思ってる。自分の好きなようにやりたいなら LEF-T だけでやればいい話だし。

人生のどん底を見たことによって今まで気づかなかったことに気付けた

BM:いちファンとして少し踏み込んだ質問をしたいのですが、全国のリスナーから活動を期待されていたLEF-Tさんが2013年に突如活動を休止した理由を伺ってもいいですか?

LEF-T23歳の時に初めてジャマイカに3ヶ月滞在して、当時ジャマイカで活動してた GACHAPAN RECORDS に加入して『オスミツキノヒダリミックスっていう自分だけの曲をミックスした音源を ROCKERS ISLAND のサイトから無料で配信したんだよね。そこでありがたいことに全国的に名前が広がって、帰国後日本各地を飛び回ってライブしていたんだけど、その後に某メジャー会社から連絡をもらってメジャーデビューの準備をすることになって。レコード会社の人の楽曲に対する要求に何とか応えようと努力はしたつもりだったけど、それを来る日も来る日も続けることによってある日「俺って何の為にこんなことしてるんだろう?」って思うようになっていたね。

BM:要求に答えるうちに目的が分からなくなってしまったんですね。

– LEF-Tそうだね。単純に音楽が楽しく感じられなくなってた。今だから言えるけどその当時は現実逃避したくて色んなドラッグにも手を出していたし、心身共に人生で一番病んでいたと思う。何をしても楽しくなくて最終的に全部投げ出したかった。デビューの話は進んでいたけど、その頃には既に音楽をやりたくなくなってた。そしてある日誰の連絡も取らなくなった。それが理由かな。その後は地元に戻って警察沙汰になったりして、閉鎖病棟に入れられた事もあった。

レコード会社の方や GACHA や PANCHO、ROCKERS ISLAND の方々、そして自分を応援してくれていたすべてのファンの方には本当に申し訳なかったと今でも思っています。誰のせいでもなく、すべての責任は俺にあります。本当にすみませんでした!

BM:活動休止に至るまでそこまでの苦労があったのにも関わらず復活しようと思えたのはなぜですか?

LEF-T30歳という人生の節目に改めてこれまでを振り返って、「自分の一番の長所、自分が一番輝ける場所はどこだろう?」って、冷静に考えた。そう考えた時に出た答えはやっぱり歌うことだった。ちょうどその時 TEK からも復活のアプローチがあって、タイミングが良かったね。TEK は俺が活動休止中も連絡をくれたり、DUB を録ったりしてくれてた。

TEK2年に1回くらいの頻度でやろうぜって連絡してたのね。そしたらその時だけ「やるっ!」とか言い出して(笑)「マジかよ、じゃあやろうぜ!」みたいな(笑)

BM:TEK さんはなぜ LEF-T さんを復活させようとしたんですか?

TEKおれ復活させるの好きなんだよね(笑)大なり小なりいろんな人復活させてて(笑)1回しくじっても、もう1回あるじゃんってタイプなの。なんかもったいないじゃんレゲエやりたいっていう情熱とか才能とか。だから復活。才能あるならやるべきだし下手でも情熱があるなら何度でもやるべきだよ。

LEF-T俺から言えることがあるとすれば、何か悩みがあって答えが見つからなくて辛い人はとことん落ちるところまで落ちた方がいい。俺は人生のどん底を見たことによって今まで気付かなかったことに気付けた。粗末にしていたことの大事さに気づいた。悩んでいるという事は、まだその下に底辺があるということ。そのどん底に答えが転がっている事も十分あると思います。本当はどん底に行く前に気付くのがベストだけどね(笑)

BM:RAFUU の1stアルバム『MUZEUMに収録されている J-REXXX さんとの共作『IMAは、活動を休止した後に不死鳥のごとく舞い戻ってきた今の大事さについて気付くことができる一曲だと思うんですが、制作秘話などあれば教えてもらいたいです。

LEF-T復活した際は絶対レックスと曲をやりたいとずっと思ってて。レックスのM.U.S.I.Cってアルバムの中に実は俺に宛てて書いてくれた曲があるんだよ。本人は違うって言うかもしれないけど、俺は絶対そうだと思ってる(笑)

“馬鹿な挑戦者に送る応援歌 聞こえてますか?” それ聴いて胸を打たれた。レックスはハタチの頃からの友達で、いつも俺の事を気にかけてくれていた。IMAという曲の俺のバースは自分自身について問いてて、レックスは俺に対して問いてくれてる。でもそのままだとただ単に2人だけの曲になっちゃうから、TEK が色んなアイデアを出して皆が自分と重ね合わせられるような曲になったと思う。

– BM:最近リリースされた『BLESS WEは旧友 RAM HEADさんとSTEP BY STEP以来の久々の共作ですが、一緒に制作に至ったキッカケなどはありますか?

LEF-T聴いてもらえば分かると思うけどこの曲はラムのパートが元々あって、大阪に営業で行った際に LIFE STYLE の STREET HERO STUDIO で KOHEY とチルしてる時に聞かせてもらって、「RAM 君のこんな曲あるんすけど乗らないすか?」 って言われたのがキッカケ。それでその場で書いて出来上がった曲。あの曲を生み出したのは紛れもなく KOHEY だよ。

全ての理由はノリ

BM:RAFUU 結成前には TEK さんがドイツに滞在されていたと伺ったんですが、音楽修業の場にドイツ選んだ理由はなぜですか?

TEK最初に言っておくけど、なんで復活させたの?とか RAFUU って名前にした理由とかも、全ての理由はノリ(笑)

LEF-T間違いないね(笑)

TEKRAFUU が始まる前に半年海外行きたいと思って。ジャマイカは行く人も多くて半年では成果でないし、アメリカもニューヨークのやつとかもいっぱいいるし。ヨーロッパかなと思って、その時 MAD MOVE の GENKI とそんな話してて。GENKI が俺ドイツ行こうとしてるんですよって話ししてて、「いいじゃん、一緒にドイツ行こうぜ。」って(笑)一回もドイツなんて行ったことないし、どんなシーンがあるかもわかんないし知り合いもいない。もうホントにノリだね(笑)

BM:直感と行動力が凄いんですね(笑)ちなみに PV 撮影なんかも海外で撮影されてますがその時のエピソードなどあれば聞かせてもらえますか?

TEKASIAN LOVERMAYAKASIって曲は台湾で撮ってるんだけど、別に台湾に何があるかも分からない中で撮影しに行って。もともとMAYAKASIって曲も撮影する予定じゃなかったの。

LEF-T泊まってたホテルのロケーションが良くて。曲も未完成だったから TEK やカメラマンが台湾名物のマッサージを受けている間、ひとりでホテルでリリックを書いて曲を完成させて、次の日に即ビデオ撮影。無茶苦茶だけど音楽はその時のバイブレーションが一番大事だと思うから。でもマッサージは本当はしたかったなぁ(笑)

ジャマイカじゃない国でやってるレゲエ

– BM:現在のダンスホールシーンについて。様々なジャンルのイベントで出演するRAFUUのお二人はどう思いますか?

TEK世界的に言うとさ、レゲエの要素とかビートって求められていると思うんだけど、世界をヒップホップが引率していく中でアフロビーツとかレゲトンって上手く混ざっていったと思うんだ。だけどレゲエだけ「あれ?」って思っている人も多いと思うんだけど、それはなぜかというとジャマイカだと思うんだ。やっぱりジャマイカって島国だからあの国ではジャマイカの音楽が一番なの。日本もそう、J−POP が一番。世の中どれだけ DRAKE 聴いてても米津玄師がいいんじゃん。世界のチャートが及ばないんだよ。やっぱり島で生まれている音楽だから。レゲトンはスペイン語で歌う音楽だから広範囲で広まっているし、アフロビーツもアフリカからヨーロッパに復旧して世界で流行している。いろんなの混じり合っていこうって感じで。いまの世界の流れにレゲエが乗れないのは良くも悪くもレゲエの強すぎる芯が影響していると思うんだ。

– BM:確かにレゲエはジャマイカのアイデンティティが強いですね。

TEKそれを日本のシーンに例えると。日本は良い意味でジャマイカのスタイルを継承したのね。日本人よりジャマイカに合わせたほうがいいってうのが日本人のレゲエのスタイルなんだよね。ジャマイカをお手本にしすぎてジャマイカと同じ感覚なの。島国の中でこれがレゲエって完結しちゃった。本当は俺たちはジャマイカじゃない国でやってるレゲエなの。ジャマイカじゃない国でやってるレゲエがあってもいいんだよ。それは俺はドイツで学んだんだけどさ。日本にもイタリアンや中華料理屋たくさんあるし。本場の国で食べても日本のが美味しいなって感じることもあるわけじゃん。だからこっちのレゲエがいいって言うことを日本人もやっていいわけよ。

– BM:日本では頭を固しすぎずにってことですね。

TEKそうそう。だから OGA くんが「日本人のリディムでダブ録音して、そのリディムを海外の人がヤバいと思ってくれたらいいと思ってやってんねんって。」いうのはものすごく良いことだと思う。

もっとみんなこだわらずにフレキシブルに自分のレゲエに変えていっていいし、ようやくみんながそういう方向にシフトしている。俺ら世代に言いたいのが、今から来る10代の子たちは俺らが思っている10倍くらいレゲエの固定概念がない。良い意味でも悪い意味でもおれたちの固定概念を壊さないと10代には伝わらないんだよ。逆にもろレゲエを伝えるのもいいし、自分たちの考える新しいレゲエのスタイルがフィットするかもしれない。つまり満場一致でもともとのレゲエを伝えるのは可能性が低すぎるしまたもう一回流行らない。だからレゲエに限らず色んなアーティストをプロデュースしたいとも思ってるよ。

– BM:今後コラボレーションしたいアーティストやトラックメイカーはいますか?

– TEKおれは Mura Masa!ロンドンの若いトラックメーカーなんだけどさ、LEF-T と Mura Masa のコラボがみたいな(笑)

LEF-Tたくさん居るけどやっぱり俺は PUSHIM さん。単純に昔から大好きで、いつか PUSHIM さんと一緒に制作出来るようにこれからも頑張ります。

– BM:1stアルバム『MUZEUM、1st EPREMEMBAと作品を次々と作り出してますが次回作の展望を聞かせてください。

TEK実はもうゴリゴリアルバム作ってます!めちゃくちゃ曲は溜まってきてます!

LEF-T前作よりもパワーアップした RAFUU が楽しめると思うので皆さんチェックお願いします!

RAFUU プロフィール

【Instagram】@lef_t184 / @tekfromrealize
【Twitter】@LefT184 / @TEKfromREALIZE

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