【インタビュー】BASE LINE | Do the レゲエ オンラインサウンドクラッシュ チャンピオン

Interview by Luma | Text by BM Staff

日本初の試みとなるオンライン上でのサウンドクラッシュを開催し、大きな反響を呼んだ〈Do the レゲエ〉。テクノロジーの進化によって実現したニューフォーマットな戦いを制したのは、ある意味ではその時代の流れに逆らい、レコードオンリーでのプレイスタイルを貫いたハードコアサウンドBASE LINEだ。溢れんばかりの音楽への情熱、そしてリスペクトを忘れない姿が、スクリーン越しであろうとオーディエンスを熱くさせ、彼らを勝利へと導いた。クラッシュファンの心を掴みチャンピオンに輝くキーとなったのは、いつの時代も変わることのないものだった。

ずっと頑張ってきたことを見てくれている人たちがいた

BUZZLE MAGAZINE(以下BM):日本では初の試みとなったオンラインサウンドクラッシュということで、不安な部分もあったかと思うのですが参戦を決断したキッカケなどはありますか?

YANAGIもともとクラッシュには出たいと思っていたので、(コロナ禍で)タイミング良くと言えば不謹慎ですが、良い機会だと思って「やるか?」って相方に話を振りました。もともと僕はクラッシュが好きでサウンドを聞き始めて。結構今まで遠回りしたんですが、やっぱりクラッシュがやりたいって思いましたね。

BM:BASE LINEさんの大きな特徴の1つにバイナルスタイルが挙げられると思うんですが、クラッシュにもレコードで出場する、そのこだわりについて聞かせてもらいたいです。

YANAGIこだわりというよりかは、レコードが好きだからやってる、って感じですね。パソコンが悪いとかバイナルが一番とかって思っているわけでもないし。バイナルの良さを伝えたいとかも思ってるんですけど、一番は自分が好きでやりたいからですね。

BM:レコードにない曲はレコードに刻んでまで用意してましたね。

YANAGIそうですね。こだわりすぎている部分はあるかもです(笑)

BM:全試合を通して、視聴者や運営側、対戦相手へのリスペクトが伝わりました。

YANAGIそうですね。僕らが勝てた理由の1つに “リスペクトを持って戦った” ってことは確かにあると思います。ですけどクラッシュに限ったことではなく、普段のダンスからやってることをそのまま表現できた、って感じですね。ちゃんとクラブにありがとうと伝えたり、お客さんや出演サウンドをビゴップしたり。かけている曲自体もいつもとそこまで変わらず、等身大でプレイしました。変にクラッシュだからってイキらず、いつも通りの感じでクラッシュをすることが優勝に繋がったんだと思います。

BM:今回優勝して、周りの反響などはどうですか?

YANAGIあのー… ありがたいんですけど、初めて通知オフしました(笑)通知70件ぐらいきて寝れなかったんで(笑) 関係者やお客さんからおめでとうって言ってもらって、いい環境にいるなぁって改めて実感したというか、ずっと頑張ってきたことを見てくれている人たちがおって、過去最高にタグ付けされたかもしれない。地元の、スーパースターっていう中学生の頃から通っているレコードショップがあるんですが、優勝セールとかもしてくれて。落ち着いたときにたくさんイベントなど出れたらいいですね。

BASE LINEを貫く

BM:一回戦から決勝まで通して、一番印象に残っている場面はどこですか?

YANAGI準決勝ですかね。僕ら劣勢で、途中マイクも落ちたりとかトラブルもあって結構ヤバかった(笑) あと僕がめっちゃ準備してたので、喋りすぎた感があった(笑)

TSUYOSI2ラウンド目で結構ヤバいなって感じてて、「次のラウンドはサクッといこう」ってYANAGIくんに伝えたんです。それがコンビネーションラウンドだったんだけど、そこでうまいこと切り替えられて。その流れでTune Fi Tuneできたのが良かったかなって思います。

YANAGI審査員やお客さんからしたら、後半コイツら盛り返したなっていう印象を与えられたので、そういうタイミングも良かったかもしれないですね。

BM:オンラインでクラッシュをする難しさなどを決勝前のインタビューで語ってもらいましたが、その戦いを制したチャンピオンとしてオンラインクラッシュのコツなどあれば教えていただけますか?

YANAGI1ラウンド1ラウンドをブレずにプレイすることですかね。当たり前といえば当たり前なんですけど。結局録画したものを観るので、失敗しても気にしない。ウケてないかもしれないけど、気にしない。自分が思う理想の反応が返ってきているんだと想像してやってた。

TSUYOSIむしろ貫くことしかできない。現場の雰囲気でこっちの方がいいんじゃないかっていう選曲も、お客さんがいないからできない。BASE LINEを貫くっていうか、そのままでいいっていうのが強みになっていたのかも。選曲変えるとしたら相手の曲に対して変えることくらいだったので。

BM:決勝戦でかけていたDEAN FRASERのダブプレート(サックスのみ)には衝撃を受けました。

YANAGI僕は誰も思いつかないオリジナルのダブプレートが欲しいなと思っていて、あれはPENTHOUSEのスタジオで録ったものなんですが、当時DEAN FRASERはダブとかはやっていなくて、周りの人も「ダブ?どういうことやねん?」みたいになってました(笑) でもあのダブ、一発録りで練習も一回もせんと演奏してくれて、5分くらいで録ってもらいましたね。ジングルもくれって言ったんですけど、「俺はサックス奏者だから喋らない」って言われて、そのとき周りにいたEXCO LEVIに「お前喋れ」ってDEAN FRASERが言って(笑) そしたらちゃんとイントロデュースしてくれて。

BM:とってもオリジナリティあふれるダブプレートですよね。他に、これぞBASE LINEだ!というダブプレートはありますか?

YANAGIJOHNNY OSBOURNEとFRANKIE PAULの『HEARTICAL DON』ですかね。ニューヨークに住んでいるJOHNNY OSBOURNEがジャマイカに帰ってくるってなって、ダブ録ってもらったんです。スタジオに2人で入ってもらって。現場では最後までかけたことないですけど、途中バイブスが上がってラバダブみたいになるんですよ。それで後半はフリースタイルで歌ってもらってて。その場のノリで歌ってくれたのがライブアンドダイレクト感があってめっちゃいいダブに仕上がったと思っていて。現場ではあんまりかけられないけど、そのバイブスの分クオリティが高いです。

今年はBASE LINE10周年

BM:今回のクラッシュのチャンピオンとなって、次にクラッシュしてみたいサウンドはいますか?

YANAGI誰とやりたいっていうのはあまりないですけど、次この人らのクラッシュ見たいなーっていうのはありますね。僕らがいつも一緒にやってるMY STAR、ZERO MOVEMENT、BREAK JAMとかも変化球のダブ持っていて、オリジナリティのある、どっちかというとローカルのサウンドが戦っているのが観たいですね。正統派同士の戦いもいいんですけど、このダブの録り方面白いなとか、そういったサウンドクラッシュが観たいです。

BM:コロナ禍で色々と活動が制限されるかとは思いますが、今後はどんな予定がありますか?

YANAGIほんまコロナやから見通しが全然立ってないんだけど、今年で僕ら10周年なので、周年ダンスできたらなとか、オールダブミックス出せたらなって思っていて。Do the レゲエでやらさせていただいたオンラインの配信とかにも力入れていきたいですね。

BM:それでは最後に、BUZZLE MAGAZINEの読者の皆さんに一言よろしくお願いします。

YANAGIDo the レゲエやBUZZLE MAGAZINEに取り上げてもらって、僕らを初めて見た方がほとんどだと思うので、BASE LINE一同感謝しています。現場が一番BASE LINEの色が出ると思っているので、現場来てもらったり、それこそ配信なども観てほしいです。僕らだけでなくレコードでプレイしているヤバいサウンドいっぱいいるので、ぜひその人たちをダンスに呼んでみんなに聞いてもらいたいですね!

BASE LINE

2011年末に3人で結成。後にYanagi (MC / SEL) 1人となるが、2014年に244 (MC / SEL) が加入。現在2人にて活動中。
FOUNDATIONなスタイルにこだわりを見せ、DUB PLATEを含むすべての音源をレコードでプレイ。
共にMC, SELECTOR両方をこなし80’s 90’s KILLER DANCEHALL, DANCEHALL CLASSICSからRAGGA JUNGLEまで、自分たちがしぶいと思う曲・REGGAEを感じる曲をプレイする。
泉州・岸和田JAM ROCKでの「RUM DANCEHALL」「ROCK & COME IN」、大阪ミナミ・かくれあわびでの「RAGGA IRIE WARM」、アメ村KING’STONE LOUNGEでの「COUNTRYMAN COLLECTION-#コンコレ-」など多数のダンスをプロモート。

【レギュラーダンス】
MUSIC LUV(偶数月第1土曜日)@かくれあわび
ROCK & COME IN(毎月第1,3木曜日)@JAM ROCK
MUSIC AMBASSADOR(毎年3月、7月、11月 第4日曜日)@NIGHT WAX 
JUMP UP(不定期)@DOWN TOWN

【Instagram】@baselineyanachan0724

オフィシャルTwitterで最新情報をチェック!