【Interview】CLIMBER & TOMI-O | ニューアルバム『My Novel』リリースインタビュー

Interview by Luma | Text by BM Staff

関東レゲエシーンの一角を担うクルーAK-MOVEMENTの⻑男坊ことCLIMBERが、自身初となるアルバム『My Novel』をリリースした。プロデュースは、同クルーのメンバーでSHUNやJR.BONGの楽曲も手掛けるトラックメーカーTOMI-Oが担当。ステレオタイプに縛られることのない彼ららしく、ジャンルの枠を飛び越えたキャッチーなメロディから本場ジャマイカを意識させるダンスホールビートまで幅広い内容の全10曲を収録。そうしたバライティに富んだ構成ながらも、アルバムのタイトル通り自身の物語を元に綴ったリリックからはどの曲にも強いメッセージを感じることができる。「自由を奪われても何度もTRY AGAIN」と挑戦し続ける二人が作品に込めた想いを、インタビューを通してさらに深掘りさせてもらった。

− BUZZLE MAGAZINE(以下BM):それではさっそくですが、今回のアルバム『My Novel』についてお伺いしたいと思います。CLIMBERさんは過去に2枚のEPをリリースしていますが、前作と今作のアルバムとではどういった違いがありますか?

CLIMBER:今作はアルバムで曲数が多いので、EPに比べると自分が伝えたいことや歌いたいことを形にできたかと思いますね。

TOMI-O:正直今までの2作品っていうのは、どっちかって言うとAKの中で元々あるオケが多かったり、JR BONGやSHUNがチョイスしたオケが中心でできていたりしたので。それに比べて今回は前作から今までの期間に自分が作っていたオケで構成したから、オケ色が違うっていうのと、その中でCLIMBER本人が選んでバラエティ豊富なオケがたくさんある。だからCLIMBERのアーティストとしてのいろんな面を見せられているんじゃないかって思いますね。

− BM:アルバムの最初の曲のBRAND NEW DAYはすごくキャッチーでレゲエに馴染みのない人でも聴きやすい楽曲だと感じましたが、この曲についてはどのような作り方をされましたか?

TOMI-O:ちょうどあの時、昔のメロコアとかミクスチャーとかが自分のブームになりつつあって。それにInternet Moneyの新しいアルバムとかでギターがフィーチャーされているのが多かったので、合わせ技で。少し年代は昔の音を使いつつ最新に寄せてバンドモノのような色を意識しましたね。曲順は自分にまかせられていたので、「お?これレゲエか?」みたいな、目を引くような一曲目にしました。

Internet Money…ロサンゼルスのプロデューサー・アーティスト集団 代表曲はJuice WRLD「Lucid Dreams」,XXXTentacionの「Fuck Love feat. Trippie Redd」など

− BM:このアルバムをプロデュースする上で、全体を通してどんなところにこだわりましたか?

TOMI-O:アルバムというパッケージで聴かせることになるので、EPと比べてより多くの時間を聴いてくれてる人からもらうことになる。今はストリーミングの時代で後半の曲は聴かれにくくなっている傾向にあるし、いろんなことを考慮してバランス良く最後まで到達させるにはどうしたらいいかっていう部分を意識しました。そのために曲の順番だったり、曲調だったりを意識して、めったにリリックも変えてもらわないんですが、今回は変えてもらったり。本人が知らない間にオケの展開を変えたりとかもしましたね。

− BM:2人で一緒に制作をすることで1人での制作と変わってくる部分はありますか?

CLIMBER:一緒にやり続けているからこそ、どんな曲でも一緒にできるのが強みだと思います。

TOMI-O:逆に、(CLIMBERは)オケを作るとなんでもチャレンジしてくれるので(笑)オケを作っている段階で、これはJR BONGっぽいなとか、SHUNが得意だろうなって考えることはあるんですが、CLIMBERに関しては考えたことがなくて。オケが完成すると、とりあえずみんなに送るんですが、何でも曲を書いてきます(笑)彼がチョイスしてきて合わなかったらキー自体を変えたり、本人用に変えちゃいますね。

CLIMBER:そうですね。違和感をなくしてくれます。

− BM:やはり身近にプロデューサーやトラックメーカがいてチームで動ける環境は大きいですよね。

TOMI-O:そうですね。とても重要だと思います。曲を出すだけなら誰でもできるんです。TuneCoreに1200円くらい払えば配信はできるので。録音はMac一台あれば全然できますし、オケだってYouTubeでチュートリアル見てそれっぽいのは誰でも作れる時代なので。じゃあどうするかな?って考える人がチームの中にいるかいないかでだいぶ差になってくると思いますね。

− BM:そうですよね。近年プロデューサーと動きを共にしているアーティストも多いと感じます。それでは、お二人が所属しているAK-MOVEMENTについて聞かせてもらえますか?

CLIMBER:AK-MOVEMENTはTOMI-OさんのスタジオのAK-STUDIOにいるメンバーがクルーで、僕ら以外にはSHUNやJR BONG(アーティスト)、JIGGY ROCK(サウンド)がメンバーです。

TOMI-O:僕が作ったっていうよりは、スタジオに居て同じようなことをしていた人の集まりって感じです。スタジオの名前がAK-STUDIOでSHUNが曲の中で韻踏むためにAK-MOVEMENTって言い出して、そこからJR BONGが名乗りだして今に至ります(笑)

− BM:TOMI-Oさんのスタジオにみんなが集まって自然とできたクルーということですが、TOMI-Oさん自身はいつ頃から活動を始めたんですか?

TOMI-O:トラックを作っているのはここ10年くらいです。それ以前はバンドをやっていてレゲエに関してはお客さんという感じでした。

− BM:お客さんの状態からレゲエのトラック制作をしようと思ったきっかけは何だったんですか?

TOMI-O:バンドやめて暇だったから(笑)暇を持て余していて、でも家にMPCとかあってレコードもいっぱいあるしトラックを作っていって。ヒップホップよりレゲエのほうを多く作っていて。それにバンド時代は自分でレコーディングをしていたので、当時住んでいた部屋をスタジオにして。理由は暇だったからです(笑)

− BM:アルバムタイトルの『My Novelは今までCLIMBERさんが目や肌、耳を通して感じてきたことをありのままに綴った私小説という意味合いが込められているとのことですが、その “肌で触れて目で見てきた人生の中” で形成されているCLIMBERさんの人生観はありますか?

CLIMBER:何でも本気でやること。本気で遊ぶときは遊ぶし、音楽するときは本気でやるし。何でも全力で取り組むことが大事。そしたら苦しいことも楽しめるし。それを通して僕が伝えたいことは、「暗くなんないで何でも楽しめれば人生がもっと楽しくなるよ」ってラフな感じを伝えていきたいですね。

− BM:CLIMBERさんがそう感じるようになったきっかけってありますか?

CLIMBER:自分自身やりたいことができなくなる状況が何度もあって、それでも自分のやりたいことをやり続けたから。地元を離れないといけないこともあって。それでも自分のやりたいことを純粋に追い求めていって、周りの仲間を大切にしていたら、辛い状況でもいい方向に変わっていったんです。そういう経験や積み重ねからそう感じるようになりました。

− BM:実際にCLIMBERさんの生き様がしっかりと音楽にも反映されているということですね。今回のアルバム最後の曲『カマクライフについて聞かせてもらいたいです

CLIMBER:自分の中でレゲエって “レペゼン” とか、地元の小さなコミュニティでもそこのローカルを盛り上げるために頑張るっていう、ジャマイカのそういった地元に対する愛とかに影響を受けてて。そんな僕の想いを『カマクライフ』に詰め込みました。

− BM:この曲はミュージックビデオをリリースされていますが、制作する上でこだわったことはありますか?

CLIMBER:僕の地元が鎌倉で。カメラマンもそこにいるツレにお願いして普段自分たちが見ている鎌倉を表現しています。

− BM:このアルバムは特にどんな人に聴いてもらいたいですか?

CLIMBER:そりゃあもう色んな人に聴いてもらいたいですけど、やっぱり目標を持って前に進もうとしている、夢を持っている人に聴いてほしいです。それに今悩んでる人にも元気が与えられるようなアルバムになっていると思うので、そんな方にも聴いてもらいたいです。

TOMI-O:誰でも聴けるように。多くの人に聴いてもらえるようにっていうのを意識しているので、CLIMBERが届けたい人に伝えられているといいなと思いますね。

− BM:それでは最後に、BUZZLE MAGAZINEの読者の皆さんに一言いただけますか?

CLIMBER:BUZZLE MAGAZINEをご覧になっている皆様、いつもダンスホール界やレゲエ界をサポートしてくれてありがとうございます。これからもサポートよろしくお願いします。今回のアルバムの中から他のアーティストを収録してリミックスを配信したり、PVをリリースしたりなどなど、いろいろと今後の展開も楽しみにしていてほしいです。

TOMI-O:ど真ん中のレゲエじゃなくても楽しめるアルバムになっていると思います。ちょっと幅広げたいと思う人とか、いろんなの聴いてみたいなっていう人に聴いてもらえるとカチッとハマります。よかったら聴いてみてください。あと、コロナが開けたらダンスに遊びに来てください。それぞれの地元のダンスとかに遊びに行ってください。それまでは自分が好きなアーティストのストリーミングをぶん回ししてサポートしてくれると助かります。

My Novels / CLIMBER

神奈川県湘南エリア出身のDeejay、CLIMBERのファースト·アルバムがついに完成!

ストリートの生活から自身に降りかかった、幾多の困難や挫折を経てリリースされる8年越しのファーストアルバム!RiddimはCLIMBERが所属するレーベルAK-MOVEMENTのオーナー、TOMI-Oが担当した。「My Novels (私小説)」のタイトルどおりにCLIMBERの目や肌、耳を通して感じてきたことをありのままに綴った新曲10曲を収録。コンシャスチューン~ギャルチューンまで、何故彼が”リリシスト”と称されるのか聴けばわかる、あなたの心を打つ必聴盤!!

【収録楽曲】
1. Brand New Day
2. My Novels
3. Rock Di Party (feat. SHUN)
4. Marianna
5. R+J
6. Impulse
7. Catch The Dream
8. Real Friend Dem
9. One More Time (feat. DANDIMITE)
10. カマクライフ

各種ストリーミング・ダウンロードサービス
▶︎ My Novels / CLIMBER

− CLIMBERコメント
自身初のアルバムができました。2018,2019年に1作品ずつEPを配信していて、2020年もEPを配信する予定でした。しかし、世の中がコロナ騒動だったため様子をみているうちに、プロヂューサーのTOMI-Oと話し合い、フルアルバムにすることになりました。俺がAK-STUDIOに通い始め約10年間に本当に色々な事がありました。そんな過去を振り返り、どんな状況でも夢を諦めないことの大切さ、人生を本気で生きる事の楽しさ、仲間や地元への感謝と愛などを、TOMI-Oが手掛けたRIDDIMに、リリックを載せました。お陰様で思い入れの強い作品になりました。

CLIMBER

AK-MOVEMENT の⻑男坊。湘南鎌倉エリアを拠点に活動。地元のアーティストや文化に影響を受けてマイクを握る。江ノ島T&G (江ノ島TG) にて、【SEA SIDE CONNECTION 】、【SEA SIDE PARADISE 】などのダンスのプロモートも積極的に行ってきた。2012年7月に、地元湘南に対する愛を綴った「MY HOOD ANTHEM」を TOMI-Oプロデュースのもとリリースをする。しばしの人生の修行を経験し2017年から再スタートを切る。2018年には1st. EP「Skyʼs The Limit」リリースし、2019年 2nd. EP 「Put On Fresh Paint」をリリース。等身大のリリックで常に今を歌い続ける注目のアーティストである。

【Instagram】@climber_watayan
【Twitter】@DeejayCLIMBER

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