【インタビュー】Tomochan | Do the レゲエ オンラインダンスクラッシュ チャンピオン

Interview & Text by Umi Yamaguchi

大半のアーティストがコロナ禍でジレンマを抱く昨今、新たなムーブメントを起こしているDo the レゲエ。開催された第一回オンラインサウンドクラッシュは大きな反響を受け幕を閉じたが、今回はオンラインでのダンスクラッシュが開催された。約2ヵ月に渡るクラッシュの末にクイーンの座を掴み取ったのは、DISTIQUE DANCE CREWとして関西でも勢力的に活動しているTomochanだ。錚々たるライバルが集う中、彼女が魅せたダンスはスキルも勿論のこと、バイブス、構成、全てにおいてエンターテイメントであった。ダンサーとして世情の影響も少なくない中、スクリーン越しに彼女が届けたのはまさに反骨精神だったのかもしれない。

− BUZZLE MAGAZINE(以下BM):今回のようなオンラインダンスクラッシュは初の挑戦だったと思うのですが、参戦を決めたきっかけはありましたか?

Tomochan:1年前くらいに『QUEENS ON TOP』っていう、ヨーロッパのダンスコンテストの日本バージョンみたいなやつが開催予定だったんですけど、やっぱり(コロナの影響で)無くなっちゃって。だから今回のコンテストが開催されるって聞いて、やりたいこともあるし絶対これは出たいと思って決めましたね。ただ、エントリー決めてから大変さに気付いたっていう。エントリーしたときは「絶対出る!」みたいな感じで正直あまり考えてなかった(笑)

− BM:SNSにも「大変だったことはたくさんあった」と書かれていましたね。審査員のI-VANさんが勝因は「総合力」とも仰っていましたが、周囲からのアドバイスを受けたりはしていましたか?

Tomochan:アドバイスというか相談かな。「これいけるかな?」とかは相談してましたね。

− BM:では、あのネタは全部自分で考えて?

Tomochan:そうですね。決めてから周りに相談してました。でも色々な人にたくさん協力してもらってます。オンラインじゃないコンテストだったら、自分と衣装と音源さえあれば出られるけど、そうじゃなくて。場所用意して、撮影してもらう人、音源かけてもらう人、手伝ってもらう人って… たくさん協力してもらったのでそれはチーム力でしたね。

− BM:いつものダンスと今回のオンラインダンスの違いはどうでしょうか?

Tomochan:全然違いますね(笑) 仕込み勝負というか、脳みそ勝負みたいなところがあって、どれだけインパクトを出すかを考えてやっていたので。やりたいことは同じなんですけど、魅せ方はショーになるとまた違います。

− BM:トータルで3回戦ありましたが、全てネタが仕込まれてましたよね。決勝で出てきた段ボールの犬小屋にはお名前も書いてあったりして。

Tomochan:そう、「トモチャン♀」って(笑) その時のお題だった “Puppy Tail” は、お尻を犬みたいに振るダンスだったから。一個一個に何かしらのインパクトが欲しくて、1分半の2ラウンドだったんですけど… 起承転結みたいな、最初、中間、最後って3つのボスが欲しかったんです。例えば最初は衣装でボスって、中間が犬小屋、最後がトロフィー。

− BM:三点倒立をしながらトロフィーを足で持ち上げてて、あれは奇想天外でした。おばあちゃんの衣装で登場した初戦も、引いてきたカートの上でそのまま三点倒立してましたね。

Tomochan:私、三点倒立が得意なので(笑) あのおばあちゃんの演出の時も、何かしらの乗り物に乗りたかったんですよ。出だしのインパクトが重要だなと思ったんで。

− BM:起承転結の『起』だったわけですね。自分でお気に入りのラウンドはありますか?

Tomochan:準決勝ですね、みんなにも言われます。和風な感じで、和服着て踊りたいっていうのはやりたいことの中にあって、じゃあ和室で撮っちゃえばよくない?って。「あれどこなん?」ってみんなに聞かれたんですけど『和室 レンタル』とかで調べました(笑) たぶんスニーカーとか履いちゃダメだと思う。

− BM:畳もびっくりですね(笑) その和室で、表彰台のようなセットの上を三点倒立のまま登られてましたが、あの技は相当キツイのでは?

Tomochan:あれは結構プルプル震えましたね。きつかったし、緊張もしてたので。基本的に私、舞台に出たら緊張はなくなるんですけど、音源かかるまではガチガチに緊張してるんです。

− BM:緊張が全く伝わらないくらい表情も豊かだったなと思うのですが、準決勝の2ラウンド目の表情は、お題 “Drop Dead” をなぞって無表情に?

Tomochan:そうです。死んでる風にしたくて(笑)

− BM:表情も、スクリーン越しにバイブスが伝わった要因のひとつではないかと思います。準決勝でその「死んでる風」になる前に、冷蔵庫にぶつかって扉が開いたと思うのですが、あれも演出でしょうか?

Tomochan:あれは開けるつもりでいってます。正直… そこまで計算です。

− BM:参りました…。審査員のBad Gyal MarieさんはTomochanについて「オンラインでの戦いがフィットしていた」と仰っていましたが、自分ではどう感じましたか?

Tomochan:終わってみて、仕込んだものとかアイデアが浮かんだ自分にまずびっくりしてるって感じだから、あまり自分ではそう思わなかったんですけど。でもパッと思いつくものがあったんだから向いてたのかなあって思いますね、終わってみて気付いたというか。

− BM:お題の中で難しかった技はありますか?

Tomochan:うーん。それぞれ全然違うからなあ。だけど、私的にお題はラッキーだったなって(笑) 一番最初がDutty Wine。準決勝がBack It UpからのDrop Dead、決勝がButterfly、Puppy Tail、Head Topだったんですけど、全部バイブス系というか。例えばSlow Wineとかもあったと思うんですけど、そういう技よりもバイブスだけでワーっ!ってほうが得意なので。

− BM:発揮できるお題だったんですね。2月から始まった今回のダンスクラッシュですが、長いクラッシュ期間でした。その間の心境としてはどうでしたか?

Tomochan:長かったですよ、本当に。私かなり心配性で全然自分に自信ないし、もう気分の浮き沈みが激しくて(笑)「よっしゃ!やったろ!」って時もあれば、「どうしよう、勝てるかなあ」って時もあって、ジェットコースターでした。

− BM:オンラインならではの苦悩かもしれませんね。他にもオンラインだからこその難しさはありましたか?

Tomochan:やっぱり決勝前かな。まあオンラインでトーナメントだから仕方ないんですけど、準決勝から決勝までのスパンがすごく短くて、たぶん10日間くらい。その中で音源決めて衣装決めて、練習して、犬小屋作って(笑)

− BM:10日間で犬小屋作ったんですか?!

Tomochan:あれはそんなかかってないですけど(笑) でも、準決勝で和室の場所を借りたりだとか、悔いのないように先々でやりたいことを出していたので、もう次どうしようってなって。こう、オンラインで映えるような場所というか、スタジオとかクラブとかではなくて、いい場所を探したんですよね。何ヶ所もまわって。でもいい場所でも回線速度が良くなかったり。ネットの通信速度が良くないとどうしても止まっちゃったりするから、それを何ヶ所もまわったのが一番大変だったかな。リアルですよね、画質もあるというか。

− BM:リアルな問題ですね。通信が止まったら全てが無駄になってしまう。

Tomochan:止まったら終わりですよね。私の残像が残るだけ(笑)

− BM:その試行錯誤した末に、優勝したと知った瞬間はどうでしたか?

Tomochan:いやあ嬉しかったですよ。本当に新しい経験でみんなに協力してもらって、もうみんなのおかげですって感じで。

− BM:今後やりたいたいことや目標はありますか?

Tomochan:ダンスはちょこちょこあるんですけど、たぶん多くはないし、ブッキングいただくことも少ないので…。だから動画を撮ってアップするなり、そういうのはどんどんやっていきたいです。あとはサウンドマンのライブ配信とかに呼んでほしいですね。って思ってます!お願いします!(笑)

− BM:華、いりませんか?ってことですね!

Tomochan:そうそうそう(笑) ちょっとね、お尻見てもらって。やっぱりサウンドマンのライブ配信とかって、みんな男性だから男臭いじゃないですか(笑)まあショーがなければそういうのもやっていただけたら嬉しいなって感じです。

− BM:では最後に、BUZZLE MAGAZINEの読者の皆さん、Do The レゲエの視聴者の皆さんに伝えたいことはありますか?

Tomochan:今回のダンスを見て私のことを知っていただいた方もいると思うんですけど、ダンスホールの良さが少しでも伝わってればと思います。その、よく言われるレゲエダンサーのイメージっていうのは、「エロくて、お尻!」みたいな感じだと思うんですけど。もちろんセクシーで、大きいお尻をシェイクしてるっていうのも特有のダンス。だけど全然それだけじゃなくて、技もあるし、表情とかエンターテイメント性、他のダンスとはまた違う文化があるから。そんなレゲエダンス特有のバイブスを感じてもらえてたら嬉しいです。

TOMOCHAN

大阪/泉州出身 
大阪を拠点に、チーム (DISTIQUE DANCE CREW) でも、全国各地で活動中。

– 経歴
2018年 STRAIGHT HIGHEST DANCER CUP 優勝  
ハイエストマウンテン2018  出演
CAT FUCK 2018 準優勝
2019年 SHALL WE DANCEHALL 特別賞
DANCEHALL ASIA CHOREO部門 優勝 
CAT FUCK 2019 準優勝

– レギュラーダンス
SOUND DRIVE (毎月第3日曜) @ GARDENBAR

【Instagram】@tomochan_623
【Twitter】@tomochan_623

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