Interview & Text by AKI
突如レゲエシーンに現れたコンビMR. JAPLYN × GALIANO。ニューヨークにてスキルを磨いたプロデューサーと、関東を中心に精力的に活動するアーティストがチームアップ。日本とアメリカの大都市にいた2人の出会いから、初のリリース楽曲となった『List of Confessions』のリリースに至るまでのストーリーを語ってもらった。

− BUZZLE MAGAZINE (以下BM):それではまずは、MR. JAPLYNさんの簡単な自己紹介をお願いします。
JAPLYN:作品をリリースする際は『○○ feat. MR. JAPLYN』として表記しているのでアーティストだと思われるかもしれませんが、プロデューサー/トラックメーカーです。元々はニューヨーク、ブルックリンで活動していて、ブラックミュージックを中心にいろんな音楽ジャンルの要素を混ぜ込んで作品を作り上げる音楽レーベル JAPLYN RECORDS を立ち上げて運営しています。
− BM:ニューヨークにいたMR. JAPLYNさんとGALIANOさんはどのようにして出会ったのですか?
JAPLYN:ニューヨークにいた時から、ガリくんの歌声は僕の作るオケにバッチリマッチしてるなって考えていて。帰国したら絶対に一緒に作品を作りたいと思っていました。それで帰国した時に、共通の友人にガリくんを紹介してもらって。
GALIANO:その友人が僕の曲のトラックメイキングだったり、エンジニアやライブのバックDJをやってくれてるカズキって奴で「ニューヨーク時代マイメンだった人を紹介したい」って言われて。リディムを聴かせてもらって、ヤバいじゃん会おうぜってなって、湘南まで連れてきてもらいました。その時にKOFFEEのTOASTのリミックスを作ったのが始まりかな。
JAPLYN:その後、オケのデモトラックを15曲くらいガリくんに送ったら「このオケを全部使って楽曲制作をしたい」って嬉しい言葉をもらって。その流れで毎週スタジオに入って制作するようになって、その中で完成した作品が今回の『List of Confessions』です。
− BM:いわゆる王道の物とは別の角度で、コンシャスなリリックが印象的でした。
JAPLYN:ガリくんと関係性を深めていく中で「これまで数々の過ちを犯してきた自分だけど、子どもを授かった今は本気で音楽だけに集中したい」という話があって。だったらそれを作品にして世の中に伝えよう、JAPLYNとの共作第1弾は今までとは違うガリくんを世の中に示していこう、というテーマでリリックを書いてもらいました。トラックもレゲエにはこだわらずに、R&Bやヒップホップ寄りにして、アコースティックギターを生演奏で合わせた誰が聴いても伝わるようなメッセージチューンに仕上げました。
GALIANO:韓国のラッパーのDok2の『Still On My Way』って曲の中に「万引きした僕を許してください」ってとこがあって、俺にもそういう経験があったな、これ俺の話じゃんってなって、昔の僕に戻って書いたリリックです。忙殺された日々のストレスを吐き出す場所が、仕事の移動中のフリースタイルで(笑) 2トントラックの中でリリックを書きました。小学校の時はハーフってだけでいじめらて、10代の頃は万引き、20代は女に泣いたり、金に騙されたり、30代は奴隷… 僕に似たような境遇の人に刺さればいいなって想いを込めています。

− BM:制作時のエピソードや、大変だったことは?
JAPLYN:ガリくんの制作スタイルが、書き溜めてあるリリックをオケに合わせてまず録音して、たくさんのパートを素材として録音した後に、それを組み合わせてデモ音源を仕上げて、それから試行錯誤を重ねて完成までもっていくんですけど、制作途中に生まれるフロウやメロディに合わせてオケの感じを変えたり、オケに合わせてリリックを変えることもあって。トラックメイカーとしては、ボーカルも含めてオケを完成させていくっていう作業が難しさと楽しさの両方を感じました。
GALIANO:僕は週1しか仕事の休みがないんで、その時しかスタジオに入るチャンスがない中で制作をしないといけなかったのがしんどかったです。
JAPLYN:それと、公開されているMVは僕の地元湘南の先輩のリョウさんにディレクションをしてもらって。普段はレゲエの他にもテレビ番組だったりいろんな分野で活躍されている方なので、今回みたいなレゲエアーティストが歌うヒップホップとかR&Bの曲にはバッチリじゃないかと感じて依頼しました。撮影の時にはサポートでTAK-ZさんのYouTubeとかMVを担当しているFUKAさんにも協力してもらって。さっき話した共通の友人のカズキにも出演してもらって、最高な時間の中撮影することができました。
GALIANO:曲のテーマに合わせて、僕が通ってた小学校の通学路で撮れたのもよかったです。

− BM:リリースに合わせてSNSで投稿していた「Spotify x Japlyn」について詳しく教えていただけますか?
JAPLYN:MVのディレクターのリョウさんから「SpotifyのCM制作の案件が入っていて、それに使えそうなオケある?」って連絡をもらって、審査の末今回の曲のオケが使用されました。トラックメーカーとして大きな自信になったし、レゲエのアーティストがこういうR&B寄りの曲を制作することに抵抗もある中で、Spotifyという大手に使用されたことで曲とガリ君に対して後押しができたのもよかったと思います。
− BM:これからのタッグとソロのそれぞれの活動予定や意気込みを教えてください。
GALIANO:『List of Confessions』の他にも『Toast (Remix)』やHIBIKILLAさんとのコラボ曲『Konosekai (Remix)』にも2人で参加しているので、皆さんそっちも楽しんでください。
JAPLYN:ガリくんとは今後も作品をコンスタントにリリース予定です。いろんなアーティストとのコラボ作品もリリース予定なので、楽しみにしてもらえればと思います。MR.JAPLYNとしては、ニューヨーク時代から溜め込んできたジャマイカ人との曲やオリジナルリミックス、レゲエ以外のアーティストとの作品もリリース予定があるのでこちらも楽しみにしていてください。
− BM:それでは最後に、BUZZLE MAGAZINEの読者の皆さんに一言お願いします。
JAPLYN:MR. JAPLYNってなんなの? 歌ってなくね? って思う方もいると思いますが「あー、こいつが前に出たがりのプロデューサーか」ぐらいの立ち位置で作品を楽しんでいただければ嬉しいです。応援お願いしますー!
GALIANO:キンタマの裏洗って来いよ。
List Of Confessions
MR. JAPLYN

湘南出身の音楽プロデューサー
2012~2019年NEW YORKへ渡米
2016年 – 湘南乃風、HAN-KUN EP(Island Vibes)NewYorkにて共作
2017年 – 導楽 full album Blessings収録曲『DOOR』プロデュース
2020年より独立レーベルJaplyn Recordsを設立
2020年 – UMine aka 引地裕美 『Sweet Dream』プロデュース
2021年 – Galiano 『List of Confessions』プロデュース
2021年 – List of ConfessionsのオケをSpotify Japan CMに提供
2021年 -『You And I Tonight』Suuny Yamamoto & (元e-Girls) 須田アンナをシンガーソングライターN.O.B.Uと共にプロデュース & アレンジ
2021年現在、NY滞在時に制作を行ってきた、ジャマイカ人アーティストとの作品をリリース準備中。
【Web Site】JAPLYN RECORDS
【YouTube】JAPLYN RECORDS
【Instagram】@mr.japlyn
【Twitter】@mrjaplyn
GALIANO

東京都世田谷区在住、日本とフィリピン2つのルーツを持ち独特のハイトーンボイスで今注目を集めるレゲエアーティスト”GALIANO”。
2015年に”StarBwoyWorks”からリリースされた”Master OG Riddim”のOne Wayに参加し、”Millionaire Gyal”のSmash Hitを皮切りに数々のOne Way作品に参加。
そして2020年、満を持して遂にファーストアルバム”It’s Galiano”をリリース!
2021年現在、盟友9GPLUGのZUUやMr.japlynと共にEPを作成中。
また2021年初夏には夢と現実の狭間でもがく現在の心情を等身大で乗せた”LIVE MY LIFE”をJapanese reggae界のlegend HIBIKILLAが手がけるI-Note Recordから配信!
【Instagram】@its_galiano
【Twitter】@its_galiano