【インタビュー】ジャマイカ人が考える”浮気”とは? ダンスホールの歌詞を基にディスカッション

Host by Natsumi Nagamura | Text by Luma

日本から遠く離れたカリブ海に浮かぶジャマイカ。島全体を昼夜包み込むレゲエ、そしてダンスホールは住民にとって生活の一部となっている。そのリリック込められたメッセージは、時には道標となり人生を照らしてくれ、またある時は心を支えてくれる一方、バイオレンスや官能的な表現もジャマイカの音楽には欠かせない。そこからはジャマイカの文化的背景を窺い知ることができるだろう。そこで今回は「Lyrics & Culture」と題し、ジャマイカ出身者、ジャマイカ滞在中のアメリカ人DJ、そしてジャマイカで社会貢献活動を行うNPO法人 LINK UP JAJAの永村夏美さんの計5人を迎え、リリックを基にディスカッションしてもらった。

今回のテーマは、ダンスホールには欠かせないトピックである “浮気”。異文化ならではの意見が飛び交ったので、ぜひ楽しんでいただきたい。

浮気相手は自分のポジションを理解している

永村夏美:本日はお集まりいただきありがとうございます。さっそくですが、今日は “浮気” をテーマにディスカッションしてほしい曲が2曲あります。1曲目は、みんな大好きなShenseeaの『The Sidechick Song』。これまで女性のダンスホールアーティストは「私が本妻、私が一番!」と歌っていた歌詞が多かったはずなのに、この曲は自分が「Sidechick (サイドチック) 」つまり浮気相手だと認めています。そこが今までの楽曲と違うなと。ということで、まず女性陣からこの曲についてどう思うか聞かせていただけますか?

TRUDY:Shenseeaの『The Sidechick Song』は好きよ。ジャマイカには、昔とは違うメンタリティがあるの。サイドチックの女の子は彼をリスペクトしていて、自分がどんなポジションにいるかを理解しているの。自分の時間は自分の時間だってね。ダーティーなことも楽しんで、奥さんとはできないようなことも楽しめるような。つまりBoring Gyal (つまらない女) ではないということね。

TAMIKO:既婚者の男性をたくさん知っているけれど、彼らはサイドチックを作るわ。TRUDYが言ったように、サイドチックは男が一緒に楽しめる女の子。浮気相手は自分の立場をわきまえなければいけないけれど、その代わり素敵なデートや美味しい料理などのご褒美をもらえるの。男に自信とお金がないとできないけれどね。マネーがなかったらハニーもないのよ。

TRUDY:ジャマイカでは浮気相手に良い扱いをするの。家で奥さんが子育てや家事に追われている間、サイドチックは彼と素敵な場所にお出かけして、楽しい時間を過ごすのよ。だからShenseeaもミュージックビデオで素敵なホテルに泊まって、ご褒美を与えられているでしょう? サイドチックは、彼が奥さんとはしないような会話もすることができる。悲しいことではあるけれど、これは現実ね!

The Sidechick Song 歌詞
“Have respect, nah text when him beside mi”
彼は私にリスペクトを持っているし、そばにいるときには奥さんに連絡もしない

フリーランスみたいなもの

永村夏美:さて、男性陣の意見はどうでしょう?

CHRIS:ジャマイカは「ジャマイカでは浮気はノーマルだ」と思われるような文化を築いてきたところがあるよね。2人の女性が言ったように、サイドチックはリスペクトを表さなければいけない。「私は自分のやり方で自分の欲しいものを手に入れる。ストレスを生むことなんてないわ」って。フリーランスみたいなものかな。楽しいことを条件無しで手に入れるんだ。だって男の方がトラブルを起こしたら「荷物まとめて奥さんの元に帰ってよ」って言えるから、この場合浮気相手が優勢だろ? だから自分の立場を理解して、その役割を務めるんだ。

永村夏美:TAMIKOが言ったように、Man mind woman (男が女を養う) っていう文化がありますよね。男性はどうやってたくさんの女性をケアするの? だって物価が高いジャマイカでそうするのって簡単ではないでしょう?

CHRIS:ジャマイカではこう言うんだよ。” Yuh haffi have swag (スワッグを持ってなくちゃいけない) ” 。金を持っていなくても、自分の役割をしっかりと果たすことで彼女を虜にさせることができるんだ。

Swag… 自信、魅了、イケてる、などの意味で使われるスラング

The Sidechick Song 歌詞
“Gimmi anyting mi waan, so mi nah go stress him”
私が欲しいものをくれれば、ストレスをかけることなんてしないわ

ヒューマンネイチャーなんだ

TRUDY:ジャマイカ人の男って口が上手いよねぇ。上手すぎる。

TAMIKO:ジャマイカ人の男はなんで浮気するのって言うけど、これって世界中で起きてることよね。アフリカ人はオフィシャルにするでしょ。「俺はキングだから複数の女を持てる」ってね。アフリカではお金さえあれば女を10人だって囲えるってことをオープンにしているし、聖書でもFruitful (実り多いこと) は良いことだと書かれている。当然、自分だけを誠実に愛して欲しいと思うけれど、でも素敵な男性や女性がたくさんいる世の中で、それは難しいでしょ。

ANDREW:ヒューマンネイチャーなんだ。自然の摂理だよ。人間の歴史を見れば、結婚制度なんて最近のことじゃないか。TAMIKOはアフリカについて話していたけど、実際にナイジェリアのアフロビートのアーティストFela Kutiなんて27人もの妻がいたんだよ。Felaがこう言ったんだ。「西洋では1人の男と女が結婚して、男は他の女を追いかけ回すのに必死になってる。ストレスじゃないか。それなら女たちをひとつの家に住まわせよう」ってね。

永村夏美:わたし、ジャマイカの女友達から彼女の父親には54人もの子供がいるって聞いた時、ホントにひっくり返りそうだったな。日本にはまずいないと思うから、そこは文化の違いだなって感じましたね。

ANDREW:ルーツ (ナチュラル滋養強壮剤) たくさん飲まなきゃね!(笑)

The Sidechick Song 歌詞
“Not di type fi search an contact no gyal”
わたしは他の女のことを調べて連絡するようなタイプじゃない

問題を家庭に持ち込まない

永村夏美:本妻が浮気を発見した時はどうなるんですか?

CHRIS:Bob Marleyも “if you can’t handle it, just leave it alone (手に負えないものに手を出すな) ” って言ってる。分かる? 自分に果たせない務めには手を出すべきじゃない。だから男は妻に浮気がバレたらどうすべきかみんな心得てるよ。きちんとした説明をしなくちゃいけないってね。自分の意見を正直に言うと、全てを1人の人間の中に見出すことはできないよ。どうして愛することが悪になるんだい? 愛が嫌悪を生むなんて変じゃないか。利己的な考え方が人間を破滅させるんだ。

TRUDY:でも忘れてはいけないわ。妻が家にいる時、彼女が果たす役割は決して簡単なものじゃないってことを。あなたが病める時も健やかなる時も、そばにいるのは妻なのよ。だから妻が浮気を発見した時「冗談じゃないわ」って問題になるのよ。でも夫が妻にリスペクトを持っていれば、冷静に振る舞う女性もいるわ。例えば、浮気相手と白昼堂々出かけないとか、浮気相手が自分の位置を理解して妻をディスすることがなければ、という条件でね。リスペクトがあって、問題を家庭に持ち込まないってことが一番大事だと思うの。

CHRIS:そうだね。

TRUDY:現実を見なきゃ。起こることは起こるんだから。ある程度のルールを設定して、それが守られていれば、私はそれでいいわ。大多数のジャマイカ人女性がそうだと思うわ。

The Sidechick Song 歌詞
“Mi kno him love mi an mi know him love she”
彼が私を愛してることも、奥さんを愛してることも分かってる

家では浮気相手からの電話に出ない

永村夏美:様々な意見をどうもありがとうございます!それでは次の曲、Kraniumの『Gal Policy』についてはどうですか? 正直、私はこの曲を聴いたとき女性としては引きました(笑)

ANDREW:ビッグチューンだ!

TAMIKO:ポウ!ポウ!

永村夏美:えっ!? 本当ですか? わたしは初めて聴いた時、げー!!って思いましたが…

TRUDY:歌詞にあるように、私が家に帰ったら彼には浮気相手からの電話には出てほしくないわ。

TAMIKO:その通り。立場をわきまえない浮気相手が「あんたの奥さんに電話してチクってやるわ」ってことがあるけど、それをやったらデッド・ビッチね。

Gyal Policy 歌詞
“Every mistress kno dem policy, Afta 9 o’clock shi cyaah call mi”
愛人はポリシーを理解しなくちゃいけない、9時以降(奥さんといる時間)には電話をかけてくるなよ

リスペクトが大切

永村夏美:わたし、今すごく驚いてます。だって女性陣は私をサポートしてくれるだろうって思っていたのに、ほとんど男性陣の意見をサポートしてますよね!?

TAMIKO:まず妻は、自分が何を失うかを考えるわ。家や子供、車やお金をなくすのよ。旦那と別れた後、サイドチックが全て持っていくなんて考えられない。もし旦那が家に何も持ち帰らないような甲斐性なしだったら「バーイ!」じゃない? 状況によるわね。

TRUDY:本当にバカな男がいるのよ。”Mi nuh eediot (俺はバカじゃない) ” って歌詞にあるようにね、ホントに信じれないくらい。サイドチックを妻みたいに扱って、境界線がなく、節操がない。

ANDREW:バカな行為だね。

TRUDY:本当に恥を知れだわ。何があっても家庭を一番大切にしなきゃ。サイドチックが好きなあまり大切な家族を失くす男、これは大馬鹿者ね。長い時間をかけて何かを共に築き上げてきた人を、たった今目の前に現れた女のために捨てるなんて、どうかしているわ。その女だって、他にいい男を見つけたらそっちに行ってしまうわよ。

Gyal Policy 歌詞
“Treat yuh gyal bad, Shi aguh cheat as yuh blink”
彼女を大切にしないと、お前が瞬きをするように彼女も浮気するぜ

TAMIKO:その通りだわ。

TRUDY:だからリスペクトが大切なの。私はそう思うわ。

ANDREW:リスペクトやルールについてもKraniumが歌っているね。

TRUDY:これまでは浮気相手をビゴップしてる歌が多かったじゃない。だからKraniumが「家庭が最優先」を知らしめたのは良いことじゃないかしら。

永村夏美:なるほど。ということは『Gyal Policy』は「本妻をリスペクトする。本命の女性を敬う」という大意なの?

CHRIS:その通りだ。

ANDREW:自分のポジションをわきまえろってことかな。

永村夏美:ANDREWがビッグチューン!て言ってたけど、それは歌詞が持つメッセージが素晴らしいからですか?

ANDREW:メッセージとそれを伝えるKraniumの表現の仕方だね。リディムそのものも素晴らしい、ビッグリディムだ。Kraniumならそのリディムの曲の中でも最高の楽曲を作れる。ビッグチューンだよ。

Gyal Policy 歌詞
“How yuh have some gyal ah road ah style fi yuh wife ah yuh yard”
外で女と遊んでも、家で奥さんをディスリスペクトするのは考えられないぜ

ナイフが出てくるかもね

永村夏美:でも、わたしまだちょっと混乱してるんです。だって、ジャマイカ人ってすごく嫉妬深いじゃないですか。否定できないはずよ。どうやってそのメンタルバランスを保っているか知りたいの。

TRUDY:一昔前はジャマイカの女性は感情だけだった。でも女は学んだのよ、たくさんね。私たちは前よりも強いし、たくさんのことを飲み込めるようになったの。今は感情よりも大きな枠で物事を考えているのよ。

永村夏美:以前よりも論理的になったんですね?

TRUDY:うん、そうね。例えばあなたがビジネスをしている時、自分の感情をビジネスに持ち込まないでしょう? プロフェッショナルでいようとするわ。だから、最近の女性は恋愛についてもそういうレベルで対処していると思う。浮気が発覚したら夫にこう言うの。「あなたバカなことしでかしたわね。それじゃあこっちはこう出ます」って。そうして夫に耳を傾けさせ、あるべき形で対処させる。感情に流されてはいけないわ。

TAMIKO:ジャマイカでは時々感情的になる人もいるわ。浮気問題で人が殺されたりしてるでしょ。彼らは分かってないのね。

永村夏美:実際に、浮気がバレて激情した女性から顔に硫酸をかけられて、ひどい火傷を負って目が見えなくなったという男の人にも会いました。でも、TAMIKOとTRUDYの話によると、ジャマイカの女性は以前よりロジカルなんですね。

TAMIKO:浮気の腹いせに硫酸をかけていたのは昔のことよ。要するに、家庭をリスペクトしていれば大丈夫なの。家庭をディスリスペクトしたら、例えばサイドチックが家に上がりこんでいたりしたら、そりゃ妻は怒るでしょうよ。

ANDREW:ナイフが出てくるかもね。

Gyal Policy 歌詞
“Lucky she haven’t stabbed you with a knife”
リスペクトを持っていない君がナイフで刺されてないなんてラッキーだな

文化や歌に溶け込んでいる

TRUDY:近頃はジャマイカに外国人がたくさんいるわよね、あなたみたいな。男性も女性も、その外国人たちがジャマイカ人を養っていることも多いのよ。だからあなたのことキープするの。分かる?

永村夏美:確かに、たくさんのジャマイカ人男性から言われたよ。「ミスチン、俺、日本人の彼女が欲しいんだ。ジャマイカ人の女は金がかかりすぎるから手に負えない」って。私が知り合いの男性を食事に誘った時、私は当然のように自分が食べたものについて支払いをした。そしたら彼は驚いて「俺やっぱり日本人の彼女が欲しい~!」って言ったの。

TRUDY:彼らは知ってたはずよ、あなたがお金を出すって。そんなつもりなかったように振舞っていたとしてもね。神に祈っていたはずよ、そうなることを(笑)そしてその事象はジャマイカ中で起きていることなの。

TAMIKO:そうね、男女共にね。だけど同時に、これは文化の違いであるとも思うわ。ドイツでは自分の出費は自分で持つけど、逆にUKではデートした相手に「俺が誘ったんだから君はお金出さないで。俺が恥ずかしいよ!」って言われた。つまり、マインドの違いね。今の私は経済的に安定しているから、男にお酒をおごることだってするわ、男は驚くけどね。

永村夏美:文化の違いですね。

TAMIKO:ジャマイカの人たちが外国に移住したら、祖国にお金を送っているでしょ。ジャマイカでは、女性が自立できるほどの仕事に就くのは簡単じゃない。「君はインディペンデントウーマンか」って聞かれたら、もちろんジャマイカの女性は手を挙げるけど、でも実はマインドセットは違うってことは押さえておきたいね。

永村夏美:チャンスが少ないっていうのは、その現実も見てきたので納得ですね。でも、貧しい男の人でもたくさん女性を囲ってるよね? あのお金は一体どこからくるのって不思議に思わずにはいられない。

ANDREW:スワッグだよ。資金的なことだけじゃない。トークだよ。話し方も大事さ。

永村夏美:逆に、女性が男性をケアすることだってあるんですよね?

CHRIS:もちろんさ。女性に「どうしてあの男に惚れてるんだ? 彼の何がいいんだい?」って聞いても説明できない。自然の摂理だからね。これは男性が女性に対しても同じこと。その人から感じるスペシャルなバイブスで、他の誰からも受け取れないフィーリングがあるんだ。だからみんな恋人のことをケアするんだ、その人に去って欲しくないからね。時にはうまくいかないこともあるけれど、そういうことさ。サイドチックスストーリーは昔から日常的にあることだね。

TRUDY:そうね。

CHRIS:ジャマイカンからそれを切り取ることは出来ない。文化や歌に溶け込んでいる。エンターテイナーが “Man a gyalis (女をたくさん持つ男であるべきだ) ” って言ったりするのはご存じの通り。「あんたには女がたくさんいるから嫌よ!」って口では言っていても、知らぬ間に彼に引き寄せられるんだ。

ANDREW:Nature’s Law!自然の摂理。

TRUDY:リアリティね。

Gyal Policy 歌詞
“Don’t treat all ah di gyal dem di same”
全ての女を同じようには扱うなよ

人は複数の人を愛することができる

TAMIKO:ジャマイカ人は「人は複数の人を愛することができる」「1人の人間が全てを与えることはできない」って考えているところがある。ジャマイカ人はそのことを大声で言ってるでしょ、「俺たちはUnruly(やんちゃ)なんだ」って。誰も俺のことを止めることはできない、男でも女でも誰かを押さえつけることはできないってね。

CHRIS:TAMIKOが言ったように、人は複数の人を愛することができる。それをどんな風にするかってことが大事なんだ。個人的な意見をここで述べると、俺は2人以上の女性を愛することに抵抗はない。でもそこにリスペクトはあるよ。問題が起きるのはディスリスペクトが生じた時さ。理解を持って取り組めば、うまくやれるはずだ。いい女を見つけるのは簡単なことじゃない。だからいい女に出会ったら、どうしてもその女の一部が欲しいんだ! 逆もしかりだね。

TAMIKO:嫉妬は自分の中で処理しないといけないと思うの。私は社交的な人間で、誰とでも話すわ。クラブで5人の男と踊ったりするけど、彼らに私の夫を紹介できる。夫に出会った頃、彼に話したの。「嫉妬深い男は嫌なの」って。夫がいながら他の人を愛することはあり得るけど、でもその男を家に連れ込むようなことはしない。夫のことをリスペクトしているからね。夫は私が自由を愛する人間だと知っているし、私は超えてはいけない一線を超えることはないわ。

永村夏美:興味深いわ。とても正直ですね。

CHRIS:質問なんだけど、日本人は浮気しないのかい?

永村夏美:日本にも浮気はあるけれど、それを認める形がジャマイカとでは随分違うと思います。なんであれ、ジャマイカに子供がたくさんいるのは素晴らしいことだとは思います。日本では少子化が進んでいますからね。やっぱりジャマイカ人にはエナジーがあるのかな?

CHRIS:日本にジャマイカの男をたくさん送り込まないといけないな(笑)

ANDREW:ジャマイカ人ってどこに行ってもいるよね!

TAMIKO:イタリアでも、フランスでも、ドイツでも、浮気はするでしょ。日本人はコッソリするんだろうけどね(笑)ところがジャマイカ人は「ヤマン、俺ギャリスだから!」って言っちゃう。それはジャマイカ人がそうあるだけなのよ、何でも大声で言ってしまうだけ。1人の人間だけに満たされるってことはないわけじゃない? チョコレートパイを毎日食べたいわけじゃないでしょ? 明日はアップルパイが食べたいかもしれない。毎日スパゲッティは嫌よ、たまにはジャークチキンとかカリーゴートも欲しいじゃない。

Gyal Policy 歌詞
“Nuh gyal mi fuck cyan start nuh drama”
俺とヤッた女はドラマみたいな問題は起こしちゃいけない

男と女で違いは?

永村夏美:なるほど、ありがとう。では、男性陣に聞いてみたいです。これまで「浮気をしていたとしても本命を大切にすることがどれだけ重要か」ということについて話してきたけれど、あなたたち男性にとって、自分の妻に別の男がいるのもオッケーってこと? リスペクトさえそこにあれば。

CHIRIS:おいおいナツミ、何を企んでいるんだよ!(笑)

TRUDY:これは面白くなってきたね(笑)

CHRIS:よし、核心に迫ろうじゃないか。もし俺の妻が浮気しているなら、その浮気相手は俺の20倍良い男じゃないと許さないね、何においてもだ。俺は公平な人間だから、みんなにチャンスを与えるけどね。

永村夏美:でもCHRIS、あなたがもし彼女の浮気を見つけたら、ものすごく怒りそうなんですけど?

CHRIS:まずはその男を俺の元に連れてきて、俺の承認を得ないといけないな。

女性陣:いやいやいや、絶対に怒るでしょ(笑)

永村夏美:「愛することは悪い事じゃない」とか言って浮気を肯定しておいて、女には「俺の承認を得ろ」っておかしくない?(笑)

TRUDY:男は他の男に自分の女を触らせたくないのよ。男は自分の女が浮気してるかもしれないって思っただけで頭がおかしくなっちゃうでしょ。

CHRIS:俺が彼女の浮気相手の男を見定めて、承認しなくちゃいけないんだよ。彼女が自分で浮気相手を承認しちゃいけないんだ。

TAMIKO:何ですって!? 男のエゴね! それが問題を起こすんじゃないの! そのくせ「女性は男性に対して寛容に受け入れないといけない」って言うんでしょう?

永村夏美:ANDREWどうですか?

TAMIKO:そう、ANDREWに聞こうよ! 静かすぎるもの(笑)

ANDREW:俺はむちゃくちゃ嫉妬深いよ(笑)CHRISみたいなこと言う(妻に浮気のチャンスを与える)男は初めて見たよ。

CHRIS:ビッグマンティングさ。真剣だよ。俺はそういうタイプなんだ。

TRUDY:「俺は嫉妬なんてしてない」って男たちは言うけど、彼らが実は嫉妬してるってこと、女は何かを通して必ず感じるものよ。絶対に分かるわ。

CHRIS:そんなことないよ。俺が彼女と遊びに行ってた時、俺のツレが「なんでお前の女は他の男と踊ってるんだよ?」って騒いでたけど、俺は別によかったんだ。だけど、家に帰ったらジャッジメントが待ってるってことを彼女はよく考えた方がいい。「今夜は全然楽しくなかったよ。君とはもう遊びに行きたくないな。」ってなっちゃうからね。

TRUDY:その後、きっとベッドルームではもうひとつのジャッジメントが待っているのね!?

TAMIKO:ウォーーーイ!!(笑)

CHRIS:その通りだ!

ANDREW:ジャッジメントタイム!

TRUDY:ほら、あなたたち嫉妬してるじゃないの!(笑)

CHRIS:ナツミぶっ倒れるなよ。俺たちの話を聞いちゃだめだ(笑)

永村夏美:面白いです(笑)みなさん正直だし、フリーマインドですね!

The Sidechick Song 歌詞
“A man is always gonna cheat, cah it benefit him”
男はいつでも浮気をする、それが彼の幸福になっているから

自由を愛している

TAMIKO:話せて本当に良かったわ。こういうことを整理して話すって必要だと思うから。日本人がジャマイカやジャマイカの音楽を愛していて、私たちの文化をよく分かってくれているっていうことは理解しているわ。私たちジャマイカンは、リスペクトがあって、オープンで、恐れがないなの。だから歌で様々なことを表現している。わたしたちジャマイカ人はリスペクトに溢れていて、自由を愛しているの。

CHRIS:俺たちジャマイカの男は何に対しても責められるけど、世界のどこに行っても男が浮気するのは同じだよ。「ジャマイカ人の男は女がたくさんいるから嫌!」って言うけど、浮気するは世界中同じだろ? 

TAMIKO:ジャマイカ人は何においてもスワッグするの。音楽、スタイル、ギャル、何でもね。

CHRIS:このセッション、またやろうよ。僕が海外でジャマイカンとしてどんな経験をしてきたかシェアしたいね。

みんな:そうだね!ぜひ!

永村夏美

NPO法人リンコップジャジャ理事長

経歴
2001年 17歳で初めてジャマイカに渡る。
2002年 ジャマイカ留学中バスに跳ねられ意識不明の重体になるも、復活。
2003年 留学を終え帰国後、障がい者の地域生活支援の仕事を始める。
2017年 ジャマイカの障がい孤児施設で半年間ボランティア活動を行う。
帰国後「ジャマイカ活動報告会」を始める。
2018年 青年海外協力隊員としてジャマイカに派遣される。
2020年 コロナウイルスの影響で緊急帰国。
NPO法人リンコップジャジャを立ち上げる。
2021年 法人立ち上げに伴いジャマイカに戻り、半年間滞在する。

ジャマイカ活動報告会とは
孤児院でのボランティア経験や、コミュニティーにおける活動を通して見えたジャマイカの希望と課題。レゲエが発信する力強いメッセージの背景にあるジャマイカのリアリティーを、日本の社会問題とリンクさせて語ることにより、レゲエ愛やジャマイカへの学びを深めるディープな報告会。

お店、学校、会社など、どこへでも伺います!ダンスの前座やオンラインイベントへのご招待もお待ちしています。お問い合わせは natsuminagamura@gmail.com まで。

Andrew

Selector Iscious
ニュージャージー州でポルトガル系アメリカ人の両親に生まれる。ボストン地域で非常に有名なアーティスト兼DJであるLady LeeとChoice102.9 FMで「The Lion’sDen」を毎週共催、その後Vibe 105.3FMに移り、ボストンで数年間最も聴かれるルーツ&カルチャープログラムとなる。IsciousはこれまでJah Cure、I-Octane、Tarrus Riley、Richie Spice、Warrior King、Gappy Ranks、The Abyssinians、Israel Vibration、Everton Blender、Coco Tea、Chezidek、Little Heroなどにラジオインタビューを行った。現在ジャマイカに長期滞在中。

【Instagram】@selectoriscious

CHRIS

ジャマイカで生まれ育ち、7人の兄弟と5人の姉妹を持つ。現在はドイツで暮らし、毎年ジャマイカに帰省している。

TAMIKO

ジャマイカで生まれ、その後ニューヨーク、ベルリン、ロンドンなどで暮らし、現在はドイツに住みITの仕事と音楽エージェンシーを掛け持ちしている。

【Web Site】TOUCHROAD

TRUDY

ジャマイカ生まれ、UK育ち。18歳の時ジャマイカに戻って以来、ジャマイカとUKを行き来している。現在ジャマイカAirbnb経営やツアー会社の設立準備中。

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