【インタビュー】TAMIKA, TRUDY & 永村夏美 | ジャマイカのコロナ渦は終息? 

Interview & Text by 永村夏美 (NPO法人 LINK UP JAJA)

NPO法人LINK UP JAJAの代表 永村は、2022年1月から5月までジャマイカに戻っていました。ジャマイカでは長い間敷かれていた夜間の外出禁止令がなくなり、学校も2年ぶりに対面授業を全面的に再開しています。大きなパーティーも開催され、コロナ前の活気を取り戻しつつあるジャマイカ。私の友達で、母であり現役のパーティーガールでもあるジャマイカ人女性2人に、たくさんの事がカムバックしたジャマイカの今についてインタビューしました!

夏美:TRUDY、TAMIKA、元気にしてる? ジャマイカ楽しんでますか?

TRUDY:Always! ナツミはすでにジャマイカが恋しいんじゃないの?

夏美:楽しいイベントがたくさん起こる夏を目前にして、ジャマイカを離れなくてはいけなかったので…… それは悔しいですよね(笑) 今日はTRUDYとTAMIKAから「Everything is back in Jamaica!」というトピックでお話を聞かせて欲しいです。ジャマイカでは、コロナの影響で止まっていたあらゆることが再開してますよね。

TRUDYそう。外出規制もなくなったしね!

夏美:4月のイースターの連休中に、2人がすごく大きなイベントに連れて行ってくれましたね。あれ何でしたっけ?

TAMIKA「SUNZ」ね。毎年行われるビッグダンスだよ。

夏美:ものすごい人でビックリでした! 入場するだけで1時間かかったし、入ってからも人、人、人でしたね。あのパーティーもコロナのせいで2年ぶりの開催だったんですよね。

SUNZ 2022 in Ocho Rios

TRUDYそうよ。実はあの前夜にも友達とAIDONIAのパーティーに出かけたんだけど、あまりにもたくさんの人が来て、渋滞で道路が封鎖してしまったの。その渋滞にハマってしまった人たちはなんと5時間もの間抜け出せなかったのよ。私も友達の車を道に止めて歩いて帰ったし。

夏美:イベントオーガナイザーが十分な措置を取らず混乱を招いたとして、パーティー主催のライセンスを取り消されたとニュースになっていましたね。

TAMIKAコロナで里帰りできていなかったジャマイカ人も、このイースターの連休を利用してアメリカやイギリスから大量に帰国していたから、そういうのも影響したんでしょう。

夏美:2人はあの大きなパーティー「SUNZ」には毎年行ってたんですか?

TRUDY私は行ける時は必ず行ってたね。

TAMIKA私は今年初めて行ったよ。イースターはカーニバル派なんだ。

TRUDY私はオーチのカーニバルは行ったことないけど、キングストンのは行ったことがあるよ。素晴らしかったわ!

夏美:やっぱり、あのド派手なコスチュームを着てパレードするんですか?

TRUDYさすがにあれは着たことないけど、みんな派手にキメていくよ。カーニバルの衣装は10万円はくだらない上に、毎年デザインを変えるから着回しができないんだって。

TAMIKAホットパンツとかイグルーを着て、カーニバルのフロートやトラックの後をついて歩き回るのよ。すごいバイブスだよ!

TRUDYナツミは来週のアフロビートフェスティバルも見逃しちゃうわね。

夏美:ジャマイカにアフロビーツのフェス? 知らなかったな!

TRUDYたしかネグリルであるよ。レゲエ・ミーツ・アフロビーツみたいな感じ。ジャマイカでは今たくさんのアフロビーツが流れているでしょ。今週末には「CABANA」があるし。私とTAMIKA、行くんだよ。

アップタウンパーティー「CABANA」

夏美:えぇー、いいなぁ! CABANAってビッグパーティーですよね。どんな感じですか?

TRUDY朝の3時とか4時まで続くの。プールがあって、みんなでお酒を飲んでGood vibsだね! みんなで行った「SUNZ」みたいな感じかな。

夏美:ジャマイカはずばり、コロナはもう終わりですか?

TAMIKAうーん、完全に終わりとも言えないなぁ。

TRUDY私的にはもうとっくに終わりって感じだけど!

夏美:私も数週間前までジャマイカにいたけれど、コロナの「コ」も聞かない、そんな感じでしたね。マスクもほとんどしなくて良かったし。

TAMIKA感染者の人数は増えてるよ。あまり重症化しなくて風邪みたいな症状らしいけど、まだ気を付けなくちゃいけないよ。

TRUDY私は感染者が増えてる時でもマスクをつけるのには抵抗があったわ。ちゃんと息ができないし、マスクがコロナを防ぐとも考えていないしね。みんなが同じことを信じているわけじゃないの。

夏美:マスクを付けることって、ある国では大きな問題になっていますしね。日本ではコロナ前から風邪予防なんかでマスクを付ける習慣があったから、抵抗がない人が多いみたいですが。

TRUDY:私は嫌。自分の体から出た悪いものをまた吸い込むなんて不健康だわ。まあこれは私の個人的な考えだけれど。ジャマイカでは、今でも薬局とか病院に入る時はマスクを付けなくていけないけれど、その程度だね。

夏美:私もそういう環境に慣れていたから、日本に帰国して誰もが常にマスクを付けている情景に正直驚きました。マスクを付けることもそうだけど、コロナに対する考え方って本当に人それぞれ違いますもんね。

TAMIKA確かに。

夏美:それはともかくとして、ジャマイカではあらゆる事がカムバックしています。そこんとこ教えて欲しいです!

TAMIKA今、ジャマイカへの入国はコロナの検査をしなくていいんだよ。

夏美:去年はジャマイカへ入るのも日本に帰るのも、本当に大変でした。検査代とか自主隔離のためのホテルとか、余計な出費が15万円くらいかかりましたから。隔離期間もジャマイカ入国後、日本帰国後それぞれ2週間あって、1カ月間ほぼ動けなかったので、あれはしんどかったな。

TRUDY海外に行くのは色々面倒だったよね。

夏美:実は私、日本人の仲間をジャマイカに連れて行くツアーのようなことを企画してるんです。2人に現地でのエスコートをお願いするとすれば、どこに連れて行ってくれますか?

TRUDY行くところはたくさんあるよね! 夜のパーティーも楽しいけど、午前中からちょっと高級なブランチパーティーに行くのもいいよ。美しいサンセットが有名なネグリルや、もちろん首都キングストンでも様々なイベントがある。選択肢が沢山あるわ。どんな雰囲気が好きか、何がしたいかで行く場所を選べるの。

夏美:私たちが住んでいるSt. Annで最近アツいのは、やっぱり「PLANTATION SMOKEHOUSE」ですよね。雰囲気が良くて、毎週金曜日には生バンドで音楽が聴けて。ミュージックチャージが無いなんて、すごく贅沢です!

PLANTATION SMOKEHOUSEでは食事をしながら音楽を楽しめる

TAMIKA女の子たちがオシャレしてSMOKEHOUSEに行った撮った写真をSNSにあげるんだよね。

夏美:最近、ジャマイカ女子もワイン飲みますよね。以前はワインなんて精力剤として有名なマグナム・トニックワインくらいしか見たことなかったけど(笑) 近頃のオシャレ女子は必ず片手にワイン持ってますね。

TRUDY:SMOKEHOUSEではちょっと前にもすごくいいショーがあったよ。ナツミ、見逃して残念ね!

TAMIKAそう、ROMAIN VIRGOのステージ! 最高だったな。

夏美:それはショックすぎる! 私大ファンなのに。あと、2人は私をゴーゴークラブ(ストリップクラブ)にも連れてってくれましたよね。

TRUDY「SHADES」ね。

夏美:なんとも言えない独特な、大人の遊び場的な雰囲気でした。

TAMIKAゴーゴーと言えば「TABOO」もあるよ。

夏美:そうそう、TABOOもいつも行ってみたいと思いつつ、まだ行ったことがないです。オーチョリオスよりキングストンにあるTABOOの方が、規模が大きくて面白いってみんな言いますね。

TRUDYうん、キングストンのTABOOは私も行ったことがあるけど、面白かったよ。SHADESはゲットーバイブスで、TABOOはもう少し高級な感じだね。

夏美:St. Annに「トラック・ストップ」と呼ばれる、ゴーゴークラブがいくつか並んでいるパーキングスポットがありますね。あそこは何というか…… かなりゲットーバイブスですね(笑) 連休中に通りかかると、ものすごい数の車が止まっていてビックリしました! 夜の遊びに関して、ジャマイカには本当にたくさんのオプションがありますね。

TRUDYジャマイカは世界一パーティーが楽しめる場所でしょ? ストレスがあったり、自分に自信をなくしてしまったり、辛いことがある時にはジャマイカに来て発散すればいいの。抱えてる問題なんて放り投げて、エンジョイライフするのよ! 現実に戻るのは楽しんでからでいいじゃない。

夏美:素晴らしい! ところで、安全面ではどうですか? わたし、日本人から「ジャマイカ危険なんじゃないですか?」て聞かれることも結構あって。

TAMIKAジャマイカだけじゃなくて、世界のどこに行っても自分の安全は自分で確保しないといけないわ。得体の知れないタクシーに乗らないとか(ジャマイカではライセンスを持つタクシーは赤のナンバープレート。白のナンバープレート、いわゆる「白タク」は避けた方がよい)、単独じゃなくて複数人で行動するとかね。

TRUDY別にジャマイカだけが危険なんじゃないよね。犯罪は世界中どこにだってあるし。

TAMIKA自分が行動するエリアを観察して、警察署や病院がどこにあるか知っておくのも大事だね。移動に関して言えば、安全なタクシードライバーと知り合ったら、どこかに行く時はその人に頼んで連れていってもらうのがベストかな。お金をたくさん持ち歩かないとか、そういう基本的な対策もしつつ。Airbnbとかに泊まるなら、その宿が車を紹介してくれたりもするよ。

TRUDYでも、宿は宿内でのお客さんの安全については責任があるけれど、宿の外に出たら宿泊者本人が自分の安全を確保しないといけないのは覚えておくべきね。

夏美:私は車を運転しないから、特に夜間の移動が不便だなと感じる事は多々あって。キングストンにいた時は深夜でも無線タクシーがたくさん走っているから不便はなかったんだけど、St. Annに来てから夜は少し動きづらくなりました。

TAMIKAそのエリアで動いてるタクシードライバーを2人くらい確保しておけば、ほとんど不自由なく過ごせるよ。運転しない人は、マイドライバーを持っておくことね、できれば複数人。

夏美:そういえば、TRUDYとTAMIKAはツアー会社のようなものを企画してるって以前話してくれましたよね?

TAMIKAうん、まだ本格的に始動しているわけじゃないけど、Airbnbを紹介したり、ローカルツアーを提供したりするビジネスを始める予定だよ。ツアーについては東のポートランドから西のネグリルくらいのエリアでね。ただホテルに泊まってリゾートを楽しむんじゃなくて、リアルジャマイカを感じられるような体験を提供することを考えているの。もちろんナイトライフについても! クラブやローカルパーティーがたくさんあるし、レストランでのライブバンドも素敵だよ。アジア人ってカラオケ好きでしょう? ジャマイカのカラオケにも連れてってあげる!

夏美:ジャマイカのカラオケって日本とは違って、オープンスペースで、みんなの前で1曲ずつ歌うんですよね(スナックのスタイル!)。私も次回挑戦しようかな(笑)

TAMIKA他にも、美味しいシーフードが食べられるスポットとか、楽しみ方は本当にたくさんある。もちろん安全第一でね!

夏美:アメリカやヨーロッパから来る観光客は、オールインクルーシブホテルに引き込もるパターンも多いですよね。昼はプライベートビーチで泳いで、夜はホテルのプールでレゲエ聴きながらカクテルを飲んで…… ってイメージです。日本人はリゾートよりもリアルジャマイカを求めてやって来ると思うから、ローカルツアーはウケると思うな!

TAMIKA実は私、長年ホテルで働いてるんだけど、ホテルに来てるお客さんたちも実はリアルジャマイカに興味があるんだよね。「危険だからあそこには行っちゃダメ」なんて言われるのにうんざりしてる。

夏美:ツアー会社の名前はもう決めたんですか?

TAMIKA「Triple Ts」よ。TRUDY、 TAMIKA、今ドイツに住んでいる仲間のTAMIKO、三人の名前の頭文字「T」から取ったの。ナツミの友達がジャマイカに来たら、私たちが素敵なツアーを提供するわ!

夏美:頼りにしてます! ところで、大きなレゲエコンサートも戻ってきましたね! レゲエサンフェスが今年の夏にカムバック。ジャマイカも活気を取り戻していて、出入国規制も緩まって来たので、次のレゲエマンス、2023年2月にジャマイカツアーを企画しているんです!その時はよろしくお願いしますね。

TAMIKAもちろん。任せておいて!

TRUDY日本のみんなに本当のジャマイカの楽しみ方をとことん教えてあげるよ!

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