【インタビュー】CONVERSATION|MIGHTY JAM ROCK

提供:Pococha (DeNA)

Interview & Text by Umi Yamaguchi

パンデミックが終息しつつある昨今、世の中ではよく「生きづらさ」が語られるようになったと感じる。ここ数年で明白化した価値観の違いや格差を、それぞれが濁したり濁さなかったり。レベルミュージックに救いを乞いたくなるようなニュースばかりが目に留まり、ファミレスに行けば機械がご飯を運んでくる。それでも時間は平等に、私達を未来へと運ぶのだ。

停止していた時間が一気に加速したような2022年、そして迎えた2023年。アーティストは今、何を思うのか。

ようやく「現場」が確保できるようになってきている現在、BUZZLE MAGAZINEでは「現場以外での活動」にもフォーカスを当て、様々なアーティストによる対談形式のインタビューシリーズ「CONVERSATION」をスタート。アーティストにとってもリスナーにとっても、興味深い話がたっぷり詰まった各対談は必見だ。

そんな連載第2弾はあの3人組。

大阪を拠点とするレゲエクルーMIGHTY JAM ROCK、通称「マイジャ」から今回はディージェイのJUMBO MAATCH、TAKAFIN、BOXER KIDの3名をゲストに迎える。3人ユニットで毎年リリースされるアルバムは2022年で22枚目に突入した。比較的、息が長いと言われるレゲエ界隈ではあるが、アルバムとして形を残し続ける彼らに感化されているのはアーティストだけでなく、リスナーもではないだろうか。彼らの意地と信念のもと、長い年月に刻まれた楽曲の数々に、あの頃の記憶を思い起こすリスナーも少なくないだろう。

対談場所は大阪、MJRスタジオ。テーマをいくつかに絞り提示していく中で、派生した話題から彼らの動向について探っていくことにした。

リスナーもプレイヤーも一緒に育っていく

JUMBO MAATCH:1年に1枚アルバムを出し続けて今22年経ったんですけど、もう当時の細かい記憶はあんまないな…(笑)

TAKAFIN:1枚目のアルバムは自分たちの出してた曲の寄せ集めって感じで、2枚目が「ちゃんとアルバム作っていこか」って言って作った作品になるのかな。

BOXER KID:そうですね。まだ時代的にも配信とかそういうレベルじゃなかったんで、元々ミックステープとか7インチで出してた曲でアルバムを作ろう、って言ってできたのが1枚目のアルバムでしたよね。それでちゃんと制作したのが2枚目のアルバムの年からじゃないですかね。

JUMBO MAATCH:だから…… 俺とTAKAFINが26歳の時やんな。

TAKAFIN:に、なるのかな。18、19歳からやり始めてやから。

BOXER KID:2000年前後は長期でジャマイカに行ったりしてる人も多かったし、それぞれが行って、帰ってタイミングが揃ったのがそのくらいだと思います。

JUMBO MAATCH:ジャマイカ行って帰ってきて、やっと業界のことも分かってきて、くらいやんな。

BOXER KID:ジャパニーズレゲエシーンもだんだん動きを見せてきてたというか。だから「今からいくぞ!」感が全国的にもあった時期ですね。ちょうど三木君(DOZAN11)が『Lifetime Respect』出したのがそのくらいで。

Lifetime Respect… ジャパニーズレゲエ初のオリコン1位を獲得し、日本にレゲエが浸透する大きな要因となった三木道三のヒットソング

TAKAFIN:そうやね。2001年に『Lifetime Respect』が出て、2003年のマザーホールのハイエストマウンテンは人がすごい来たな。それで、2004年が初の舞州会場でハイエストマウンテンか。

ハイエストマウンテン… MIGHTY JAM ROCKが主催する日本最大級のレゲエフェス

BOXER KID:ハイエストマウンテンが99年にクラブで始まって、大きい箱になって、野外になっていった時期ですね。

TAKAFIN:SNSも無いし、iPhoneとかも無いし、楽曲制作もアナログ制作でテープで全部録音して、みたいな時代やったな。今はデジタルで全部パソコン制作やけど。

JUMBO MAATCH:でもその頃に自分らのスタジオもできて、やってることはその延長上やんな。

BOXER KID:まあ、やってることはあんまり変わんないかもしれないですね(笑) でもその時期が、一番各地でアーティストたちが盛り上がり始めてきた時期なんじゃないのかな。

TAKAFIN:やから、レゲエブームがくる直前くらいやんな。その頃と比べると今はシーンも色々変わったけど、アーティスト的には若手が増えてきて、層の幅が広くはなったんかなとは思うな。

JUMBO MAATCH:それこそ俺らが入った時はレコードでプレイしてたけど、そこからCDになって、今はPCになって。音楽の売り方も変わったし。始めた頃はCDの売り上げがミリオンとかそういう時代やったし、レコード会社との関わり方もちゃうかったよな。

BOXER KID:メジャーシーンに手を掛けるアーティストも増えてきた時代でしたよね。でもメジャーアーティストを聴いてたリスナー層も、アナログとかテープを買って聴いてくれて、現場に足運んでくれてたお客さんが多かったんで、より濃い人が多かったと思うんですよ。その人たちの熱気はすごく感じてましたね。

JUMBO MAATCH:今レゲエシーンが下がってるとかも言われてるけど、当時も上がる前は下がってたから、結局その繰り返しというか。レゲエもヒップホップも、カルチャーってそういうもんなんかなっていうのは体感してるかな。そういう視点で見れるようになったのは、やっぱり長くやってるからかも。本当にね、リタイアしていく人が多い業界やし。

TAKAFIN:どっかで見切りつけなあかんって人も多いやろしね。

JUMBO MAATCH:誰でも始めやすい分、足抜けもしやすいからさ。このブラックミュージック自体のビジョンって、まだそんなに誰も見えへんっていうか。ヒップホップだって歴史50年とかで、言ったらリスナーもプレイヤーも一緒に育っていく発展途上っていうか。楽しみでもあるけど、もちろん不安でもある。社会保障もない、こんなアウトローの世界でね。でももう人生の半分以上、20年以上は使ってもうてるから、今更他にすることがないっていうか(笑) しかもね、やってて幸せやから。

ライブ配信で距離が縮んだ

TAKAFIN:コロナの時期はPocochaでもマネタイズできるっていうのは良かったな。新しいお客さんも増えたし。(オフライン)ライブが増えてくると今は時間がなかったりもするけど。いい発見もあるし、新しい発信の場ができた感じがする。

Pococha… ライブ配信と視聴ができるライブコミュニケーションアプリ

JUMBO MAATCH:俺もPocochaやってるんやけど、俺のところは基本年齢層高いお客さんが多いけど、フリースタイル(ダンジョン)を見て俺のこと知ってくれた高校生とか、そういう若い子たちも見てくれて、ファンクラブみたいな感じになったりとか。

フリースタイルダンジョン…… ラッパーのZEEBRAがオーガナイザーを務めるフリースタイルMCバトルのテレビ番組

BOXER KID:僕はPocochaはやってないですけど、Instagramでライブやってて、現場で物理的に会えない人とかもチャットでやり取りするだけですごく近くなれたなっていう。2人がPocochaやってて印象的やったのが、最近現場でお客さん同士もPocochaで繋がってて、「初めて会いました」とか「〇〇で集合して一緒に行きましょう」とか、そういうコミュニティができたのはすごくいいですよね。コロナのおかげでと言ったらアレですけど、改めて集まれる場所ができて、それが現場に還元されて、また新しい形だなと思いましたね。だからJUMBOさん、TAKAFINさんのPocochaを見てくれた人が僕にも声かけてくれたりとか(笑)

TAKAFIN:結局マイジャ好きが見てくれるから、そう回ってくれるっていう。

BOXER KID:どっちかっていうと僕は喋りかけにくいタイプかなと思うので、配信でお客さんとの距離が縮んだというか、交流がすごく増えたと思います。現場に来れなくなった同世代の人たちが配信見てくれてたりもして、環境が変わってもお客さんも一緒に成長してんねんなって感じれましたね。

TAKAFIN:みんな子供とかできて、一回離れたりもするから。それで子供大きくなって、また戻ってきた層が俺らを見てくれるっていうのもあるよな。大変なこともあるけど、やっておいて良かったなと思う。

JUMBO MAATCH:三木君(DOZAN11)が、コロナ始まった早い段階で俺らにも「Pocochaやれ」って教えてくれて、レゲエでもやる人増えて。1年ぐらい経って、そのままやってる人、たまにやってる人、辞める人、と分かれてきてる感じやよな。俺は今は週1回くらいしかやれてないねんけど、コミュニティは大事にできるっていうのと、自分の忙しさによって調整できるのはいいところかな。

TAKAFIN:でも現場増えてきたら、なかなか配信に時間を費やせないっていうのもあるよな。バランスが難しい。そればっかやってたら制作も追いつかなくなってくるし…… 俺はレーベルやってて、オケ作りとかもあるし。

JUMBO MAATCH:RYO君(RYO the SKYWALKER)とかずっと続けてるけど、ホンマにすごいなって思うもんな。配信は参入するのは楽やけど、分母が多いから突出した存在になるのが難しい訳で。その中で光ってる人っていうのは、やっぱそういうことやからさ。結局実力勝負やから。

好きなものを追求する力

BOXER KID:今は簡単にアーティストっぽくなれるというか、入りやすい環境があるっていうのはいいと思うんですけど、「続ける」っていうのはまた別で。昔は人が集まらないと録音すらできない環境だったし、音楽に対しての探究心とか追究心とか、想いが強い人たちじゃないとやれなかったですよね。僕は今でも好きで、それがあるから続けてる。好きなものを追求する力で続けていくっていう、そういう人達がキーになっていくんじゃないかなって思いますね。

JUMBO MAATCH:やっぱり2〜5年くらい活動するのと、10〜20年とかの単位で生き残るのはまた違う話やからね。売れたら何でもいいっていう感じやったら後々辛くなると思うし。有名になるのはもちろん大事やけど、なり方っていうか、そこまで意識してできてる人が強いと思うな。

TAKAFIN:俺らが若い時よりも、今の若い子らの方が上手いし、その中で頭一つ出るのは難しいことかなとは思うけど、今は誰でもバズらせる可能性もあると思う。まあそこから先はその人の努力次第だと思うんですけど。

JUMBO MAATCH:どっかで露出していって、っていうのは大事だと思う。(ラップ)バトルとか出るようになったら、お客さんのほとんどが高校生、大学生とか。そんで男。9.5割が20代近くの男の子って感じで。普通にやってるだけやったら、その層が俺らの音源聴くまでに辿り着かなかったと思うし。

TAKAFIN:周りの環境にも左右されていくと思う。連んでいく仲間によって変わってく。

JUMBO MAATCH:やっぱり一人でやるよりチームでやって、いろんな意見を言ってくれる奴が周りにいるほうがいいと思うね。やっぱりどんどん若い世代が出てくる業界やし、俺らなんかどんどん歳とっていくわけやから、自分らで仕掛けて、先を見据えていかなっていうのは感じるよな。

BOXER KID:あと、僕はコロナ中にiPadで絵を描き始めて、それをキャンバスにしたりとか。この間はジャマイカフェスティバルに展示の方で呼んでいただいて。あとはアパレルでTシャツ作ったりとか、そんなのもちょっとでき始めてきたなって感じですね。

TAKAFIN:グッズとか作るのも全てありきでアーティストやと思うから。需要もあるしね。

JUMBO MAATCH:アーティストとしての吸引力がなかったら結局グッズも売れへんから、どこを中心に考えるのかやな。

BOXER KID:昼間は普通に仕事してるアーティストがほとんどの中で、音楽で食べていくのは本当に大変なことだなと思いますね。僕はアーティスト始めた時は大きな夢って無くて、目の前のイベントを盛り上げるとか、いい曲を作るっていうだけだったけど、その延長線上でずっとこれたから。だから感覚的には夢が叶ってるようでもあるし、このまま続いていきそうでもある。

JUMBO MAATCH:いや、めちゃくちゃ幸せですよもう。今死んでもそんな後悔ない。…… あるけど。どっちやねん!(笑)

22枚目のアルバム『REBORN』

BOXER KID:アルバム毎年出そうってなってたのも、気が付けばそうなってた感じで、絶対出そうと思って始めた最初があったわけじゃないですしね。

TAKAFIN:そうそう、なんとなく。でも6、7枚目になったら「じゃあ10枚までいきたいな」みたいな(笑) 程良いバランスやと思うんすよね。みんな個々のアーティストとしても活動してるし、3人でアルバム作りやすいっていうのもあるし。

JUMBO MAATCH:半分意地やよな(笑)

BOXER KID:ジャマイカのアーティストは曲を出しまくるっていうのが、良いイメージとして僕らの中にあって。アーティストたるもの曲をどんどん出していかなあかんっていうところを学んでたんで、そういう影響もあったりとか。

JUMBO MAATCH:良いところも悪いところもあるけどね。やっぱり1年ごとに出してたらどんどん増えていくから、一枚一枚に対するライブだったりの活動がちょっと短い。大体他のアーティストって3年ごととかじゃないかな。プロモーションとか曲の寿命とかあるし。1本のライブが長くて20〜30分っていう中で、アルバム何十枚分の曲から選んでやらなあかんから。

TAKAFIN:全くやらない曲とかもあるしな。

BOXER KID:「新しい曲歌いたいな」とも思いますけど、限られた時間でお客さんのニーズも考えると「あの頃のあの曲」みたいなのも歌った方がいいのかなと思いますし。だからそこの葛藤はずっと続いてますね。

TAKAFIN:22枚目のアルバム『REBORN』が12月30日に出てるので、よろしくお願いします。僕個人はね、ビルボードでライブっていう大きい計画が終わって、ちょっと燃え尽き症候群になってるんで(笑) 来年は楽曲制作して、再来年くらいにまたやりたいなって思ってますけど。

JUMBO MAATCH:2022年はソロでもアルバム出したんですけど、2023年はシングルでやっていこうかなっていうのは考えてます。アルバムとして出すほうがいいのか、シングルとして出していくほうがいいのかみたいな葛藤はずっとあったけど、どんどんアルバムっていう形が難しくなってきてるなっていう感じがして。盤(CD)にするのかもあるし。マイジャとしてはずっと続けてきてるから意地もあるし、形としても残していきたいから盤もって感じですけどね。

BOXER KID:今年はMIGHTY CROWNのクルーズ(FAR EAST REGGAE CRUISE)があって、一生に一度だと思うので個人的にはそこ目掛けて頑張ろうかなと思ってます。あとはライブも楽曲も、質の良いものを作っていきたいです。人生でこれまでやってきたことより、これから先のほうが絶対短いと思うんで、一つ一つ大事にしていきたいなと思いますね。

HIGHEST MOUNTAIN 2023

▶︎ オフィシャルサイト

MIGHTY JAM ROCK presents JAPANESE REGGAE FESTA IN OSAKA
HIGHEST MOUNTAIN 2023
-25th ANNIVERSARY-

powered by ROUND ABOUT
2023年8月11日 山の日(金祝)
OPEN 11:00 / START 13:00
りんくうアイスパーク芝生広場 特設会場

■ ARTIST
JUMBO MAATCH
TAKAFIN
BOXER KID
PUSHIM
RYO the SKYWALKER
CHEHON
Spinna B-ILL
RUDEBWOY FACE
NANJAMAN
寿君
EXPRESS
TAK-Z
J-REXXX
THUNDER
RAY
775
POWER WAVE
ZERO
ZENDAMAN
39-MAN
HOME GROWN
BAGDAD CAFE THE trench town
MIGHTY JAM ROCK
BURN DOWN
RODEM CYCLONE
and more …

■ ローチケオフィシャル先行
受付期間 : 3/11(土)12:00~5/28(日)22:00
▶︎ HIGHEST MOUNTAIN 2023

・Sブロック 9,800円
・Aブロック 5,800円
・Sブロック(タオル付) 11,300円
・Aブロック(タオル付) 7,300円
・Sブロック(Tシャツ付) 13,300円
・Aブロック(Tシャツ付) 9,300円
・親子チケット 6,800円
※親子チケット1枚につき12歳以下のお子様1名入場無料(お子様2人目よりチケット必要です)
※Aブロックに入場可能です。

■ 注意事項
・ご入場の際に別途1ドリンク代が必要。
・雨天決行。荒天の際は主催者判断で中止となります。
・会場内傘(視界の妨げになるもの)の使用・持ち込みは禁止です。レインコート等をご利用下さい。
・会場内へのアルコール含むドリンク類・クーラーボックス・危険物の持ち込み一切禁止。ご入場の際、厳重にチェックさせて頂きます。アルコール販売時、年齢確認を行います。
・タオル又はTシャツは当日に会場でのお渡しとなります。

主催 : ハイエストマウンテン実行委員会
企画製作 : MIGHTY JAM ROCK
協賛 : 株式会社ラウンドアバウト
問い合わせ:株式会社チッタワークス(電話:044-276-8841)

REBORN / MIGHTY JAM ROCK

メラメラ燃えてる消えないRAGGAな炎!!!『俺らが太陽 熱く照りつけてやる』
MIGHTY JAM ROCK(JUMBO MAATCH, TAKAFIN, BOXER KID)による通算22枚目のフルアルバム!

TRCK LIST:
01 : MONSTER MACHINE / JUMBO MAATCH, TAKAFIN, BOXER KID
02 : Bruk Out / JUMBO MAATCH, TAKAFIN, BOXER KID
03 : REGGAE PARTY / BOXER KID
04 : まだやってるよ / TAKAFIN
05 : Hit the road / JUMBO MAATCH
06 : 俺らが太陽 / JUMBO MAATCH, TAKAFIN, BOXER KID
07 : TRAIN / BOXER KID
08 : あともう少し… / JUMBO MAATCH
09 : TALKIN BLUES / TAKAFIN

各種配信サービスリンク ▼
MIGHTY JAM ROCK – REBORN

MIGHTY JAM ROCK

大阪を拠点に活動するレゲエクルー。メンバーは、サウンドのKYARAとROCK。そしてDeeJayのJUMBO MAATCH、TAKAFIN、BOXER KID。サウンドシステムはDANCEHALL MECHA-DOG、レーベルはMIGHTY JAM ROCK RECORDS。

1998年、大阪のサウンドがクルーの枠を超えて《謎のミックス集団》MIGHTY JAM ROCKとしてミックステープ「SOUND BACTERIA」シリーズを発売したのが起源だ。当時、レゲエのテープといえばジャマイカから輸入された音質の悪い現場収録モノが主流であったが、「レゲエはいいぞ」を旗印に掲げ、クオリティにこだわったミックステープを制作。結果、レゲエファンのみならず、アパレルショップ、美容院、飲食店などでBGMとしても人気を博し、大阪・アメリカ村を中心に、街中に「SOUND BACTERIA」が大音量で鳴り響くというムーブメントを巻き起こした。

またこの頃、ジャパニーズレゲエは近年のように確立しておらず、ダンスやサウンドクラッシュで日本語レゲエをプレイすることで非難の声が上がる時代でもあった。

悔しかった。「広くレゲエを聞いてもらいたい」「ジャパニーズレゲエの良さを知ってもらいたい」。その想いを実現させるべく、MIGHTY JAM ROCKはいよいよ《謎の集団》の仮面を脱ぎ捨て本格始動を決意。それが1999年に開催された、当時まだ珍しかった生演奏のバンドでアーティストがパフォーマンスを行うビッグステージショー「HIGHEST MOUNTAIN」の第1回だ。以来「HIGHEST MOUNTAIN」は毎年開催され、8年目の2006年には大阪・舞洲で2万5千人を集客し、名実ともにレゲエフェスの代名詞ともなった。最近では大阪城野外音楽堂での開催を2年経て、2018年には開催20周年を迎え、家族連れにも優しいレゲエフェスティバルをテーマに舞洲で復活開催する。

また、JUMBO MAATCH、TAKAFIN、BOXER KIDの3人ユニットでのアルバムも、2001年より毎年リリース。シーンの筆頭を走り続け、2021年には21枚目のアルバム「BLACKJACK」を完成させた。ジャパニーズレゲエアーティスト最多のリリース量である。

大阪にレゲエあり! と日本中に知らしめた彼らは、20年を超える時を経てもなおカルチャーの核となり、レゲエの魅力を拡散する。「レゲエはいいぞ」の彼らの旗は、今日も大空になびいている。

JUMBO MAATCH

侠気にこだわったラガな生き様を図太い声で伝える、大阪生まれ・大阪在住のレゲエDeeJay。1990年代半ば、アメフトかレゲエかの人生の岐路に立つも、18歳でTAKAFINらとRIDDIM CREWを結成。セレクターとしてキャリアをスタートさせ、ほどなくDeeJayに転身する。

1998年より、MIGHTY JAM ROCKのメンバーとして活動。同クルーのTAKAFIN、BOXER KIDとの3人ユニットでのアルバムを2001年より毎年リリースし、2020年は20枚目を完成させた。ファーストアルバムは「3 THE HARDWAY」、22枚目の最新作は「BLACKJACK」。

2017年には、“危険球”の意味を持つBEAN BALL RECORDSを自身のレーベルとして設立し、同年・同レーベルより初のソロアルバム「the MURDER CASE BOOK」をリリース。ストリートカルチャーのみならず、国際情勢や社会問題などにも目を光らせ、外道をぶったぎるスタイルは痛快だ。彼は、まさに武闘派の雄。その攻撃性は年々磨きがかかり、男たちを奮い立たせている。

最近ではテレビ朝日にて放送されたラップバトル「フリースタイルダンジョン」のモンスターとしてもレゲエ界を代表し活躍、さらには「凱旋MC Battle Special アリーナの陣」でのMCバトルで準優勝と健闘。

2022年6月に自身のセカンドアルバム『ザ・ショックス』をリリース!

自分自身が教わったレゲエの魅力を世に還元し、良い意味でレゲエに捉われ続けたいと将来を展望する。

【Instagram】@jumbomaatch
【Pococha】JUMBO MAATCH

TAKAFIN

音楽で人にパワーを与えたいと願い、ポジティブなメッセージをメロディアスに歌い上げる、大阪生まれ・大阪在住のレゲエDeeJay。BOB MARLEYでレゲエを知り、大阪・梅田のクラブLABRISHでダンスホールに熱中し、1990年代半ば、18歳でJUMBO MAATCHらとRIDDIM CREWを結成。セレクター、MC、DeeJayとしてキャリアをスタートさせる。翌年、BOXER KIDと共にジャマイカを初訪問し、音楽と人の圧倒的なパワーに惹かれ、レゲエの道を決意。

1998年より、MIGHTY JAM ROCKのメンバーとして活動。同クルーのJUMBO MAATCH、BOXER KIDとの3人ユニットでのアルバムを2001年より毎年リリースし、2020年は20枚目を完成させた。ファーストアルバムは「3 THE HARDWAY」、最新作は「BLACKJACK」。

また、2007年に自身のレーベル「BACKYAADIE」を設立し、作曲、プロデュース活動を始める。コンピレーションアルバム「BackYaadie’s Jam vol.1 / vol.2」のリリース、トラックメーカーとしてリディムの提供などを行っている。2011年制作のEXPRESS「もぐらの唄」は大ヒットセールス記録し、YouTubeに公開したミュージックビデオの再生回数は2千万回を超える。

自身もTAKAFIN a.k.a BackYaadie channelを開設し、精力的に動画を公開している。

近年は、生音でレゲエを表現するアコースティックライブにも力を注ぎ、どこまでも多面的に音楽を追求する。レゲエの道を志す若者に「音楽はいつまでもできるんだぞ」と、勇気を与える存在になりたいと願う。

【Instagram】@ragga_takafin
【Pococha】TAKAFIN

BOXER KID

ストリートに生き、巧みな言葉選びでハードにメッセージを繰り出す、大阪生まれ・大阪在住のレゲエDeeJay。17歳で大阪のレゲエバーで働き始めたのをきっかけに、ROCKらがメンバーのROPROS CREWにDeeJayとして加入する。高校卒業後、TAKAFINとジャマイカを初めて訪れ、ダンスホールスターのBUJU BANTANやBOUNTY KILLERらのスタイルに衝撃を受ける。

1998年より、MIGHTY JAM ROCKのメンバーとして活動。同クルーのJUMBO MAATCH、TAKAFINとの3人ユニットでのアルバムを2001年より毎年リリースし、2020年は20枚目を完成させた。ファーストアルバムは「3 THE HARDWAY」、最新作は「BLACKJACK」。

2013年には、自身のレーベルNAKAMARU RECORDSを設立し、BOXER KID「MIXTAPE BY AKIO BEATS」をリリース。多彩なアーティストをフィーチャリングし、ノンストップミックスに仕上げた意欲作だ。さらに2020年4月にAKIO BEATS全面プロデュースでセカンドソロアルバム「THE PARTY」をリリース。

楽曲制作、ライブ、数々のアーティストとの共演などを経て、もはや想像以上の起きていると自身のDeeJay道を振り返る。「毎日がラストステージ」の気迫で、ストリートの仲間や大切な人を守るためにマイクを握り続ける。

【Instagram】@mjr_boxerkid

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